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システムバイオロジー懇話会

システムバイオロジー懇話会は、1985年(昭和60年)にバイオテクノロジーに関する啓蒙・普及や情報交換を目的として講演会や学習会を開催する有志の努力によってできあがった組織です。
当時、その設立に中心となられた渋谷佑彦、大地隆温両先生が1987年にバイオテクノロジー研究雑感として出されました文章を抜粋して紹介いたします。

バイオテクノロジー略してバイテクとは人により生物工学とか生物技術学とかと称している。
その基礎を生命科学(ライフサイエンス)におきながら生物の変化を人為的に促進して実用化を目的とする当代の尖端技術を総称している。バイテクという概念で現在対象とされている研究分野は大きく分けて四つある。その一つは遺伝子操作、その二つは細胞培養、その三は微生物、酵素利用、その四は前三者のための遺伝子資源の保存である。

バイテクは研究段階にあるものが多く、また他の技術と同様に過去の蓄積に負うところが大きいのも事実だある。また当面その成果は研究面に期待される面が多いが、企業と異なり大学ではその研究成果は教育に反映され教育の活性化に役立つ面が大きい。
したがって本学のように生物学の研究に実績を持ち、広い分野に人材を要する期間が研究に着手することは、きわめて効率的と考えられる。その意味で、60年度から本学内に有志によるバイテクを中心とする研究会としてシステム生物学懇話会が発足した。 60、61の両年度は意識統一の意味で、外部から講師の招請、或いは見学を行い、また会の運営の世話役も年配者が行っていたが、 62年度からは実際に研究に従事する若手層の積極的参加を得て会の充実を計ってきた。

63年度からは、出来るならば具体的なプロジェクト研究の発足を期待している。現段階ではバイテク研究の施設は手の届かないものでもなく、また組替え遺伝子研究には一定の基準があるがそれとてもそれほど厳しいものとは思えない。しかし単に学内に留まらず要すれば他大学、産業省の研究機関、或いは民間の例えば理化学研究所等との提携研究が効率的であろう。またそのための斡旋の労を、懇話会としても取るように努力したいと考えている。

上記文章から明らかなように、現在ではいささか陳腐にも聞こえる「バイテク」について真剣に取り組む推進役としてシステムバイオロジー懇話会は発足を見たのです。当時は、組換えDNA実験の経験者が麻布大学で1名という状況であり、講演会だけではなく最新の実験手法を取り入れたDNA解析に関する講習会を開催するようになり現在に至っています。

1.学術講演会について

1999年度
「地球環境問題--今何が起こっているのか--」  清水英幸:国立環境研究所
「植物の大気汚染耐性機構」  佐治 光:国立環境研究所

1998年度
「リボザイムとRNA工学--新機能RNA分子を作る」  菊池 洋:豊橋技術大学
「ゲノムDNAの旅」  板谷光秦:三菱化学 生命科学研究所 

2.DNA解析に関する講習会について

1990年度(平成2年度)から、7回にわたり教員、大学院生、学部学生を対象にDNA解析に関する講習会を開催しています。教員を優先して募集しますが、人数に余裕があれば院生,学生も講習を受講できます。1999年度までの受講者は、約90名である。
1999年度は、受講生13名でその内訳は、教員3名、大学院生1名、獣医学部学生7名、環境保健学部学生2名でありました。実習には、9月の約1週間をあて、その時の講習項目と数人の受講生のアンケートを以下に示しました。

講習項目:1.組換えDNA実験の実際(ビデオ)
            2.プラスミドDNA,制限酵素反応,分画
            3.DNA sequencing
            4.PCR法によるDNAのクローニング
            5.パルスフイールドゲル電気泳動法による巨大染色体DNAの解析

教員A:自分は、今回の講習会の内容は、だいたい一通りやったことがあります。
しかしながら、「これが欲しければこのキット」、「これがやりたければあのキット」といた具合に、手技が確立されている分、あまり深く考えないでやっている面がありました。
また、大腸菌の性質などについては、かなりいい加減な知識しかなく、教えてもらう機会があればなぁと思っていました。今回の講習会で、もちろんすべてが解決するわけではありませんが、かなり多くの「解決の手がかり」を得れたと思います。
自分はかなり教科書通りに教わったせいか、手を抜いてもいい部分(目的に対して重要でないという意味です)が分からず、無駄なことをしていた、と思うところもありました。
シークエンスをすぐにでも確認したいクローンを持っているため、オートシークエンサーの使い方を教わり、実験を先に進めることもできそうです。

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