麻布大学

大学概要ABOUT

2019年度

2019年度入学式における学長告辞

新入生の皆さん、麻布大学へのご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族をはじめ、関係の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。

本日ここに、多数のご来賓の皆様並びに関係各位のご臨席のもと、大学院入学生を含め新入学生571人を迎え、2019年度麻布大学入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同の大きな喜びであります。

皆さんが入学された麻布大学は、今から129年前の明治23年、西暦で言いますと1890年、当時の東京市麻布区に開設された『東京獣医講習所』という小さな学校からスタートしました。創立者は輿倉東隆(よくらはるたか)先生です。輿倉先生は、明治15年1882年に駒場農学校を卒業したあと、海外留学を通してご自身が経験した先進諸国の進んだ教育を日本でも実践するために、帰国後、私財を投じてこの学校を創設しました。

さて、みなさんはご存知でしょうか。私立学校の創立者が、この学校でこういう教育をしたいという思いを表す言葉を"建学の精神"といいます。 麻布大学の建学の精神は『学理の討究と誠実なる実践』です。私たちはこの精神に従い、ここに学ぶ者に『確かな知識を伝えそれを裏付ける確かな技術を習得させる』ことを教育の目標とする「知識に裏付けられた実学主義」を標榜し、教職員が一丸となり、学生への教育に取り組んでまいりました。こうした精神を背景に、本学の教育理念である『地球共生系 人、動物、環境の健康はひとつ For One Health』 のもと教育を実践し これまでに多くの有為な人材を送り出してまいりました。

さて、大学での専門性の追求こそが良い社会人生活につながると言います。今日は、その専門を学ぶために入学された皆さんやご父母の皆様に直接関係のある、学生の皆さんへの本学の取組を4点、ご紹介致します。

1つ目は、大学は、皆さんのスタートダッシュを応援し、一人ひとりに向き合った指導をいたします。 皆さんが今までの学習を復習し、新しい学習に不安なく取り組めるように、大学内にある教育推進センターで、それぞれの学科特化型のリメディアル教育(補講)や、個別指導あるいは履修相談などを通年にわたり行います。これは誰でも希望があれば受けることができます。

2つ目は、大学の正規課程では、まず はじめに、みなさんに人間の幅を作る教養教育や語学教育を、そして専門を追求する準備として基礎教育を学んでいただきます。とくにこの中には5学科共通の教育プログラムとして『地球共生論』という授業があり、さきほど述べました本学の教育研究理念である『人、動物、環境の健康はひとつ』という地球共生の考え方を学びます。この授業を通して麻布大学で学んだ者はすべてFor one Health を理解することになります。

3つ目は、教員は、自らの講義や実習について、自分の伝えたいことが皆さんにきちんと伝わっているか、について、それを受ける学生の皆さんが評価する教員の授業評価を行っています。こうして教員は絶えず自分の教育法をチェックし必要であれば改善しています。また、この中で優れた教育を行うと評価された教員に対し、学長が顕彰しグッドティーチング賞を贈ります。 また学生教育のために優れた教育法を提案する教員へ、それが実施できるよう学長が特別支援を致しています。

4つ目は、皆さんの出口である、就職への指導です。本学では学生さんの就職の希望が叶うようにさまざまな就職対策講座を開講しています。とくに今年度からは、今まで実施していた従来型の就職対策セミナーに加え、一般企業への就職にも役立つ公務員就職対策講座を、これまでの短期集中講座ではなく、一年間を通して開講することにしました。皆さんがこれから学ぶ専門分野には、公務員になると一層力を発揮できるものもあります。皆さんにもチャレンジしていただきたいと思います。

ところで、本日入学された皆さんはこれからそれぞれの年数をこのキャンパスで過ごすことになりますが、ここで、麻布大学で学ぶ姿勢について、また学生生活の過ごし方についてお話します。 まず、学ぶ姿勢です。 昭和の時代に(私の学生時代の学長でもありますが)本学の学長・理事長また日本学術会議会長として学園あるいは日本の学術の発展に尽力された故越智勇一先生は新入生に大学について次のようにおっしゃっていました。

「大学は問題を持っている学生がその問題を解くために来るところで、そこにはその問題を解くための施設を整え、その問題を解くために人生をかけている教師たちのいるところである」

この越智先生の言葉をお借りすればこうなります。入学したばかりの皆さんは、解きたい問題をすでに心に持っている方もいれば、何の問題を解けばよいかまだわからない、という皆さんもいるでしょう。しかし自らの意思と意欲で目の前の小さなことから、一つひとつていねいに学んでいくことで、必ず問題を解くカギに、そして自分の解くべき問題に出会うことができるはずです。

そして皆さん一人ひとりの問題を解くために大学は施設を整え、皆さんの問題をともに解くために人生をかけている教員たちがここにはいます、ということです。

皆さんは麻布大学のすべてを最大限に活用し、その問題を解き、自分のものにする喜びを経験してください。

次は、学生生活の過ごし方についてです。大学にも社会にもさまざまな人がいます。これから、皆さんはその人たちとともに広く接することになります。これから社会で生きていく力をつけるには、大学の学びはもちろん、友人との付き合い、部活動、サークル活動、アルバイト、旅行での人との出会いなど、社会的な交流を通した体験も大切なものです。たくさんの人と出会い、自分とは異なる意見も認め、夢を語り合い、同じ目的に向かって協力し合うという、大学時代でなければ経験できない豊かな時間をこの期間に過ごしてください。

大学時代は、おそらく人生の中で、自分自身の時間を最も自由に使うことのできる、かけがえのない時となります。大学時代に何を学び、経験し、どのように過ごしてきたかは、皆さんの今後の将来にも関わって来ると言っても過言ではありません。数年後には自分自身に大きな価値を付けて、巣立ちの時を迎えましょう。

本日、麻布大学は、新入生である皆さんを大きな喜びを持ってお迎えしました。私たち教職員は、数年後皆さんが、卒業される時に、『麻布大学に学んで本当に良かった』と満足し、『自信と誇り』を持って社会に羽ばたいていけるよう、ご指導申し上げることをお約束致します。

本日はおめでとうございます。

2019年4月4日

麻布大学長 淺利 昌男