麻布大学

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平成28年度

平成28年度 - 入学式における学長告辞

本日ここに、多数のご来賓の皆様ならびに関係各位のご臨席のもと、平成28年度麻布大学入学式を挙行できますことは、私共の大きな喜びであり、学長として皆様に心よりお祝い申し上げます。

新入生の皆さん、ご入学、ご進学、まことにおめでとうございます。

皆さんが入学された麻布大学は、今から126年前の明治23年(1890年)に当時の東京府麻布区に開設された『東京獣医講習所』という小さな学校からスタートしました。創立者は與倉東隆先生です。與倉先生は当時の東京農林学校の教員であったのですが、留学を通してご自身が経験した、先進諸国の新しい獣医学教育を実践するために、その職を辞し、私財を投じてこの学校をつくりました。学校は4年後の明治27年 (1894年) に「麻布獣医学校」と改称し、その時の卒業者数は記録によると10名でした。その後、幾多の変遷を経て、今、みなさんがいる、麻布大学となり、現在では2学部5学科、2研究科3専攻、在校生数2600有余人という私立大学屈指の自然科学系専門大学となりました。

さて、私共のような私立学校にはどこでも、その創立者の、その学校を開設した思いを明示した『建学の精神』というものがあります。これは創立者が、この学校をどのような目的で、どのような学校にしていきたいか、という思いを表したものです。麻布大学の『建学の精神』は與倉先生の言葉である、『学理討究と誠実なる実践』に定められています。本学は、この精神に従い『確かな知識を伝え それを裏付ける確かな技術を習得させる』を教育目標とする「実学主義」を標榜し、真面目に、しっかりとした教育を行い、有為な人材を育成してきましたが、現在も、様々な教育的な施策を検討し、実行に移しています。今日は皆さんにその一部を紹介します。

1つ目は、麻布スタンダードへの取組です。麻布大学の教育の理念である「地球共生系」を学ぶ全学共通科目「地球共生論」を開講し、麻布大学に学ぶ者すべてにこの教育理念が伝わるようにしています。

2つ目は、基礎教育・教養教育の充実に向けた取組です。麻布大学の優秀で意欲的な基礎及び教養教育系の教員の、学部の壁を越えた往来で、全学生があまねくそれぞれの専門に入る前に、充実した基礎教育、教養教育に触れられるようにと、その取組を進めています。

3つ目は、絶え間のない教育方法の改善です。優れた教育を行う教員への顕彰、また優れた教育法を提案する教員への教育資金の特別支援など、私たちは常に教育方法の改善をめざしています。

4つ目は、確かな実学教育の実現のため、本学では、実習の充実を常に図っています。実習での最新の分析機器や検査機器、実習教育施設などを必要に応じ充実させています。

こうして本学は、『獣医学、動物応用科学、臨床検査科学、食品生命科学そして環境科学』について、真に実力を付けた学生を世に送り出してきたことにより、社会から評価を受けてきました。その現れは、各分野への高い就職率が物語っております。また、本学の校風を一言で申し上げれば、伝統的に、同窓意識が強いということです。このことも卒業後、皆さんが社会で活躍するときに、必ず思わぬ形で役に立って来ることと思います。

さて、本日、入学された皆さんはこのような教育環境の中で、これから4年間あるいは6年間、大学院ではそれぞれの年数をこのキャンパスで過ごすことになりますが、ここでの過ごし方について、ひとつお話致します。要点は『学びは主体的に』です。大学時代は、おそらく人生の中で、自分自身の時間を最も自由に使うことのできる、かけがえのない時です。大学時代に何を学び、経験し、どのように過ごしてきたかは、皆さんの今後の将来にも関わって来ると言っても過言ではありません。皆さんは、これから大学生として、大学での授業や実習を通して、専門的な知識を身につけていきます。もちろん、時間を最も自由に使える学生時代ですから、勉学以外のさまざまな経験は後の人間としての力を磨く元になります。そのため余暇を上手に使い、自分を磨いていってほしいとも思っています。ただ、学生の第一義は、やはり『勉学』です。みなさんは、本学が何を学ぶ所なのか、わかって入学をされています。ここで学ぶ学問は理系であり、技術系ですから、講義あり、実習あり、演習ありで、みなさんは、今までとまた違う、忙しい毎日を送ることになると思います。1年次では、専門に入る前の教養教育・基礎教育あるいは語学にしっかり取り組んでください。社会が求める人材は、何を学ぶにも、まず基礎的体力、幅広い教養、自らの考えを発信する力であると聞きます。そして皆さんが選んだ専門では、それを心置きなく学んでください。ぜひ、この学びは、言われたからやるというものではなく、『主体的』に取り組んでいただきたいと思います。この大学の課程は次に皆さんが社会に出るための力をつけるところです。社会は、皆さんが卒業するとき、必ず『大学で学んだものは何か、学びで得たものは何か』を皆さんに問い、『物事に積極的に臨む姿勢や心構えが出来ているか』を見ます。これらに対して、自信を持って答えることができるようになるには、学生生活の限られた時間を使って、主体的に学びに向き合ってきたかで決まります。いつの間にか、勉学を忘れ、余暇に興ずることで忙しくなり、今日の入学時の気持ちを忘れていたら、『自分は何を学びにこの大学に入ってきたか』を思い出してください。もう一度言います。みなさんは自ら選んだ学びについて、常に主体的に考え、意欲を持って臨むこと。そうすれば、その学びがみなさん自身の「血」となり「肉」となります。

麻布大学には、皆さんの意欲に応え、解決するための人材、施設などの環境が整っています。在学中に本学の優秀な教授陣と、恵まれた教育研究環境をフルに活用し、自らの持てる能力を引き伸ばし、数年後には自分に大きな付加価値を付けて、来るべき巣立ちを迎えましょう。本日、麻布大学は、皆さんを大きな喜びを持ってお迎えしましたが、私たち教職員は、数年後、皆さんが、卒業されるときに、『本当に麻布大学で学んで良かった』と満足し、『自信と誇り』を持って社会に巣立っていくことを心から願っています。

それには本日お話した、『学びは主体的に』という、たった一つのことを、忘れないように過ごしてください。

本日はおめでとうございます。

平成28年4月2日 本学 麻布獣医学園アリーナにて