麻布大学

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平成29年度

平成29年度 - 入学式における学長告辞

本日ここに、多数のご来賓の皆様ならびに関係各位のご臨席のもと、平成29年度 麻布大学入学式を挙行できますことは、私共の大きな喜びであります。新入生の皆さん、麻布大学へのご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族をはじめ、関係の皆様にも 心よりお祝いを申し上げます。

皆さんが入学された麻布大学は、今から127年前の明治23年に当時の東京市麻布区に開設された『東京獣医講習所』という小さな学校からスタートしました。創立者は輿倉東隆(よくらはるたか)先生です。輿倉先生は当時の東京農林学校の教員であったのですが、留学を通してご自身が経験した先進諸国の新しい教育を実践するために、帰国後、その職を辞し、私財を投じてこの学校をつくりました。学校は4年後の明治27年 (1894年) に「麻布獣医学校」と改称しました。 その後、幾多の変遷を経て、今、みなさんがいる、麻布大学となり、現在では獣医学部の獣医学科、動物応用科学科と生命・環境科学部の臨床検査技術学科、食品生命科学科および環境科学科の5学科と大学院の獣医学研究科と環境保健学研究科の、在校生数2600有余人という私立大学屈指の自然科学系専門大学となりました。

さて、麻布大学には創立者である與倉先生が本学を開設した思いを示した『建学の精神』というものがあります。これには創立者が、この学校をどのような目的で、どのような学校にしていきたいか、という思いが表されています。ここで本学の『建学の精神』は『学理討究と誠実なる実践』と定められているということを新入生の皆さんにお伝えしておきます。本学は、この精神に従いここに学ぶ者に『確かな知識を伝え それを裏付ける確かな技術を習得させる』を教育の目標とする「実学主義」を標榜し、教職員が一丸となり、真面目に教育に取り組んできており、これまでに有為な人材を育成し社会に輩出してまいりました。今日ははじめに本学の現在の取り組みの一部を紹介します。

1つ目は、大学は麻布スタンダードの定着に努めています。今日入学されたみなさんが本学の教育の理念の根幹である「地球共生系One Health」を学んでいただくため、全学共通科目「地球共生論」を開講し、ここに学ぶ者すべてにこの教育理念が伝わるようにしています。

2つ目は、大学は皆さんのスタートダッシュに際して一人ひとりに向き合ったきめ細かい指導をいたします。学生の皆さんが今までの学習を補完し、新しい学習に不安なく取り組めるように、補習授業、個別指導あるいは履修相談などを通年にわたり実施しています。皆さんの在学中の成績の伸びは入学時の成績ではなく、1年次終了時の成績に関係があると言われています。この初年度の過ごし方はとても大切なので大学はそのサポートをしています。

3つ目は、大学は教員評価を実施することによって教員が絶え間なく自らの教育法をチェックできるようにし、改善する機会を作っています。また、優れた教育を行う教員に対し、グッドティーチング賞を贈り顕彰し、また優れた教育法を提案する教員へ教育費の特別支援を積極的に行っています。 

4つ目は、大学は建学の精神にある確かな実学教育の実現のため、実習の充実を常に図っています。実習教育施設の整備、校外実習の確保のほか、実習で用いる最新の分析機器や検査機器の導入などを必要に応じて実施しています。こうして全学を挙げてしっかりとした教育指導体制を作っています。

さて、本日、大学院研究科に入学された皆さん、本学は昨年度、国の研究支援事業である「私立大学研究ブランディング事業」の世界展開型事業に応募し、採択率二割の厳しい競争の中、これが採択されました。 こうして本学のユニークな研究テーマである「人、動物、環境の共生 One health」という麻布大学の研究ブランドの確立に絶好の機会が与えられました。これはこの分野での本学の卓越した研究実績が認められたものだと考えています。このように教育ばかりでなく研究に関しても、しっかりした指導体制が出来ていますので、大学院に入学された皆さんも、これから教員の研究指導の下、積極的に研究に励んでください。

さて、本日入学された皆さんはこれからそれぞれの年数をこのキャンパスで過ごすことになりますが、ここでの過ごし方について、一言お話致します。

【大学で皆さんがなすべき事は何か?】についてです。皆さんは大学へは自分の夢の実現、また身に付けたい専門を学ぶために入学してきています。そこで心がけることのまず1つ目。これから進む専門の学びを確かなものにするために、あるいは将来の夢の実現のためにしっかりとした基礎学力及び教養を身に付けてください。語学、倫理学、統計学、生物学や化学など基礎教育科目がまもなく始まりますが、これは建物を例にたとえると言わば土台作りです。将来のためにこれらの勉強を怠らないようにしてください。2つ目です。大学にはそれぞれ異なった場所から人が集まってきます。他人の多様な考えを知るため、あるいは自分自身の考えを持つために、これらの友人たちと積極的に関わり、コミュニケーション能力を高めてください。この能力は社会において、より一層必要となります。最後の3つ目です。大学では、先ほど述べましたように、多様な考えを持った友人たちとともに、1つの目標を目指して活動をすることがこれまで以上に多くなることと思います。その中では、他人と意見が合わずに戸惑うことも多いでしょう。しかし、別の面で多くの喜びを得ることがあります。ぜひ、サークルやクラブで、仲間たちとの共同作業を通じてやり遂げた達成感を、また高学年になり入室する研究室で生まれる連帯感を経験して自分自身の成長の糧としてください。

大学時代は、おそらく人生の中で、自分自身の時間を最も自由に使うことのできる、かけがえのない時となります。大学時代に何を学び、経験し、どのように過ごしてきたかは、皆さんの今後の将来にも関わって来ると言っても過言ではありません。社会は、皆さんが卒業するとき、必ず『物事に積極的に臨む姿勢やその心構え』を見ます。これらに対して、自信を持って答えることができるように在学中にその準備をしてください。こうして数年後には自分に大きな付加価値を付けて、巣立ちの時を迎えましょう。

本日、麻布大学は、皆さんを大きな喜びを持ってお迎えしましたが、私たち教職員は、数年後、皆さんが、卒業されるときに、『麻布大学で学んで本当に良かった』と満足し、『自信と誇り』を持って社会に巣立っていくことができるよう、ご指導することをお約束致します。

本日はおめでとうございます。

平成29年4月2日

麻布大学長 淺利昌男