○学内において飼養及び管理する動物の感染症の防疫に関する規程

平成18年2月22日

規程

(目的)

第1条 この規程は、学内において飼養及び管理する動物における「家畜伝染病予防法」(最終改正:平成16年6月2日法律第68号、以下「家伝法」という。)に定める家畜伝染病及び届出伝染病等の動物の感染症、「狂犬病予防法」(最終改正:平成11年12月22日法律第160号)に定める狂犬病及び「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(最終改正:平成16年12月1日法律第150号、以下「感染症法」という。)に定める動物由来感染症等についての防疫対策として必要事項を定め、学内において動物の感染症の発生を予防し、及びまん延を防止するとともに、動物を適切に飼養及び管理することにより、動物から人への危害を防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 家畜伝染病、届出伝染病、監視伝染病、患畜及び疑似患畜とは、家伝法に定めるところによる。

(2) エボラ出血熱等とは、感染症法に定めるエボラ出血熱、マールブルグ病、細菌性赤痢、ペスト、重症急性呼吸器症候群、ウエストナイル熱及びエキノコックス症をいう。

(3) 動物とは、教育又は試験研究のため、学内の飼育施設等で飼養及び管理する哺乳類及び鳥類に属する動物並びに家伝法、狂犬病予防法及び感染症法に定める動物をいう。

(4) 感染動物等とは、感染症に罹患している動物(以下「感染動物」という。)又は感染動物である疑いのある動物及び感染動物若しくはその疑いのある動物が飼養及び管理されていた施設等に同居し、病原体に触れたため又は触れた疑いがあるため感染動物となるおそれのある動物(以下「疑似感染動物」という。)をいう。ただし、家畜伝染病、狂犬病及びエボラ出血熱等に罹患した動物等を除く。

(5) 犬等とは、狂犬病予防法に定める犬、猫、あらいぐま、きつね及びスカンクをいう。

(6) サル等とは、感染症法に定めるサル、犬、プレリードック、イタチアナグマ、タヌキ・ハクビシン及び鳥類に属する動物をいう。

(7) 飼育施設等とは、教育又は実験、研究に供する動物を飼育するための牛舎施設、豚舎施設、厩舎、羊舎、鶏舎、小動物飼育施設及び仮設小動物舎のほか、各研究室等の動物飼育室及び実験室をいう。

(8) 管理者等とは、動物及び飼育施設等を管理する者をいい、動物管理センター長(以下「センター長」という。)、飼育施設等の管理者、実験動物管理者及び教育に供するために動物を飼養及び管理する実習科目担当者をいう。

(9) 実験動物管理者とは、管理者を補佐し、飼育施設等において飼養する動物の管理を担当する者をいう。

(10) 実験実施者とは、実験研究を行う者をいう。

(11) 飼養者とは、教育研究用動物の飼育を担当する職員及び動物飼育のために雇用された者並びに実験動物管理者又は実験実施者の下で動物の飼育管理に従事する者をいう。

(学長の責務)

第3条 学長は、第1条の目的を達成するため、学内において飼養及び管理する動物の感染症の防疫について包括的に責任を負い、次の措置を講ずる。

(1) 飼育施設等、設備及び動物の取り扱う場所の安全及び衛生管理に関する事項

(2) 感染症の情報の収集及び伝達体制に関する事項

(3) 感染症に対する知識の普及・啓発に関する事項

(4) 感染症による人の生命等に対する侵害を防止するための措置に関する事項

(5) その他感染症の発生の防止に必要な事項

(動物を飼養及び管理する者の責務)

第4条 動物を実験、研究又は教育に使用する者若しくはそのために飼養及び管理する者は、動物の生理、生態、習性等を理解し、並びに愛情をもって取り扱うとともに、感染症及び予防衛生に関する知識の習得に努める。

2 動物を飼養及び管理する者は、日ごろから動物の観察を徹底し、異常を認めた場合には、迅速かつ的確な措置を講ずる。

(感染症防疫対策の組織)

第5条 感染症の発生予防及びまん延防止のため、センター長の下に別図1に掲げる飼育施設等の管理者及び実験動物管理者を置く。

2 学内において飼養及び管理する動物の感染症が、人へ伝播し、若しくは人の生命等に危害を及ぼさないよう必要な措置を講ずる。

(感染症防疫対策委員会の設置)

第6条 学長は、家畜伝染病、狂犬病又はエボラ出血熱等の発生時において、感染症防疫対策委員会を設置し、委員長となる。

2 委員長は、家畜保健衛生所及び保健所等と連携を密にし、家畜伝染病、狂犬病又はエボラ出血熱等のまん延の防止及び発生の防止のために、学長の許可を得て必要な措置を講ずる。

3 感染症防疫対策委員会に関することは、別に定める。

第1章 家畜伝染病のまん延の防止

(患畜等の届出)

第7条 家畜伝染病の患畜又は疑似患畜を診断若しくはその死体を検案した獣医師、又は獣医師による診断若しくは検案を受けていない動物やその死体の管理者等は、家伝法の定めるところにより家畜保健衛生所に届け出るとともに、学長にその旨を報告する。

(隔離)

第8条 管理者等は、患畜又は疑似患畜を速やかに隔離する。

(患畜又は疑似患畜等の取扱い)

第9条 管理者等は、家畜防疫員の指示により、患畜等の殺処分、病性鑑定のための処分、検査、注射、薬浴、投薬、家畜等の移動の制限及び死体の焼却等を実施する。

(汚染物品の焼却等及び畜舎等の消毒)

第10条 管理者等は、家畜防疫員の指示により、家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれのある物品を消毒した後、埋却等により適切に処理する。

2 管理者等は、家畜防疫員の指示により、患畜又は疑似患畜若しくはこれらの死体が所在した飼育施設等及び運搬に使用した車両等を消毒する。

第2章 狂犬病のまん延の防止

(届出)

第11条 狂犬病にかかった犬等又はかかった疑いのある犬等若しくはこれらの犬等にかまれた犬等を診断若しくはその死体を検案した獣医師、又は獣医師による診断若しくは検案を受けていない犬等の管理者等は、狂犬病予防法の定めるところにより保健所に届け出るとともに、学長にその旨を報告する。

(隔離)

第12条 前条の犬等を診断した獣医師又はその管理者等は、直ちに、その犬等を隔離する。ただし、人命に危険があって緊急やむを得ないときは、当該動物を処分することができる。

(犬等の取扱い)

第13条 管理者等は、狂犬病予防員の指示により、犬等が死んだ場合には検査又は解剖のために死体を引き渡すものとする。

第3章 エボラ出血熱等のまん延の防止

(患畜等の届出)

第14条 エボラ出血熱等にかかったサル等又はかかった疑いのあるサル等を診断若しくはその死体を検案した獣医師、又は獣医師による診断若しくは検案を受けていないサル等の管理者等は、感染症法の定めるところにより保健所に届け出るとともに、学長にその旨を報告する。

第4章 届出伝染病及び感染症の発生の防止

(感染動物等の連絡方法)

第15条 動物が感染動物又は疑似感染動物となったことを発見し、若しくは感染病死又は感染病死の疑いのある動物死体を発見した実験実施者又は飼養者は、速やかに動物の種類、性、年齢、数、発見の日時及び発見時の状況等を実験動物管理者に連絡する。

2 前項の連絡を受けた実験動物管理者は、速やかに附属動物病院に診断又は検案を依頼する。ただし、実験動物管理者又は実験実施者が獣医師である場合は自ら診断又は検案することができる。

3 前項に基づき、届出伝染病に罹患し、又は罹患している疑いのあることを診断若しくはその死体を検案した獣医師は、家伝法の定めるところにより、遅滞なくその旨を家畜保健衛生所に届け出るとともに、センター長に連絡する。

4 教育に供するために学内に感染動物等(附属動物病院の診療動物を除く。)を搬入する実習科目担当者は、あらかじめ感染動物等を搬入する施設(中動物飼育室、大動物室又は教育用動物繋留施設)の管理者と、搬入するごとに病原体による汚染防止のための措置等について協議し、その内容をセンター長に連絡する。

5 病原体に感染し、又は感染しているおそれのある第2条第1項第3号に規定する動物を含むすべての動物又はその死体(以下「学術研究動物等」という。)(附属動物病院の診療動物を除く。)を、学術研究のために学内に搬入する者は、あらかじめ動物の種類、数、搬入の目的、飼養又は保管する期間及び場所、並びに動物を管理する者等の事項を様式第1号でセンター長に届け出る。

(感染動物等の診断等)

第16条 前条第2項の診断の依頼を受けた附属動物病院は、速やかに診断又は検案するものとする。

2 前条第2項ただし書きによる獣医師の診断又は検案は、速やかに病理解剖場で行う。

第17条 診断又は検案した獣医師又は附属動物病院は、その結果を速やかに依頼した実験動物管理者に通知する。

(感染動物等の取扱い)

第18条 第15条第3項の連絡を受けたセンター長は、感染症のまん延発生防止のために、速やかに次の措置を講ずるよう飼育施設等の管理者及び実験動物管理者に要請する。

(1) 家畜防疫対策要綱に定められている届出伝染病は、それに準じた措置を講ずること。

(2) 感染動物等を隔離し、必要に応じて投薬等を行うこと。

(3) 感染動物等が所在した飼育施設等及び汚染のおそれのある器具、機材等を消毒すること。

(4) 感染動物等の病原体に触れ又は触れたおそれがある器具、機材等は、使用、他の場所へ移動又は搬出する前に必ず消毒すること。

(5) 感染動物等のふん等の排泄物を適切に処理すること。

(6) 感染動物等と同居し、又は同居したことがある動物の健康状態を把握し、必要に応じて消毒又は投薬等を行うこと。

2 飼育施設等の管理者又は実験動物管理者は、前項の措置を速やかに講じ、措置の終了時に、その旨をセンター長に連絡する。

3 前項の連絡を受けたセンター長は、感染症の発生とそれに講じた措置等について、速やかに、学長に報告する。

第19条 感染動物等の病理解剖及び死体の解体は、病理解剖場において行う。

2 感染動物等にかかわる死体等は、必要に応じて消毒し、所定のビニール袋で、冷凍又は冷蔵保管する。

3 病理解剖場を使用する際には、当該施設の管理者にあらかじめ連絡し、その使用許可を得て行う。

4 動物の死体の焼却等処理は、大学が契約した業者において行う。

第20条 感染動物等を学内に搬入する実習科目担当者及び感染動物等を搬入する施設(以下「繋留施設」という。)の管理者は、当該動物の飼養及び管理において感染症のまん延防止並びに感染動物等による事故を防止するために、次の措置を講ずる。

(1) 感染動物等の輸送に用いる車両、ケージ等は、動物の安全を確保し、動物の脱走を防止するために必要な規模、構造等のものを用いるものとする。

(2) 感染動物等の輸送の際には消毒液を搭載し、病原体、排泄物等による環境汚染を防止するために、適切に消毒を行う。

(3) 感染動物等の繋留施設は、中動物飼育室、大動物室又は教育用動物繋留施設とする。

(4) 繋留施設には消毒槽及び消毒器具等を設置し、手指、作業衣、作業靴等による感染症の病原体の拡散を防止する。

(5) 感染動物等の飼養及び管理に携わる者は、牛舎施設、豚舎施設又は鶏舎の動物の管理作業を並行して行わないものとする。ただし、やむを得ず、並行して作業を行う場合は、病原体の拡散又は伝播を防止するため、それぞれの施設において、消毒した作業衣、作業靴に交換する。

(6) 感染動物等の飼養及び管理が終了した場合には、繋留施設の管理者の指示により実習科目担当者が責任をもって、使用した飼育施設又は場所、器具、機材等を消毒する。なお、消毒が終了したことを確認した繋留施設の管理者は、その旨をセンター長に連絡する。

第21条 学術研究動物等は、感染動物飼育管理施設又は直接病理解剖場において管理する。

2 学術研究動物を管理する者は、動物の生理、生態、習性等を理解するとともに、飼料の適切な給与と給水に配慮し、保管場所から脱走しないよう並びに感染症のまん延防止のために必要な措置を講ずる。

3 学術研究動物を管理する者は、動物の利用目的が終了し、又は中断した場合には、当該動物を処分し、第19条第3項に定める措置を講ずる。

(監視伝染病の発生の状況等を把握するための検査等)

第22条 管理者等は、家伝法に定める監視伝染病の発生を予防し、又はその発生を予察するための家畜防疫員の検査等に協力し、監視伝染病の発生の防止に努める。

(予防注射等による感染症の発生の予防)

第23条 犬を飼養及び管理する実験動物管理者又は実習科目担当者は、その犬について狂犬病予防法の定めるところにより、狂犬病の予防注射を受けさせるものとする。

2 実験動物管理者又は実習科目担当者は、当該動物に通常適用される予防注射を行い、感染症の発生の予防に努める。

(飼養衛生管理基準の遵守)

第24条 牛、豚及び鶏(以下「牛等」という。)の飼養にかかわる飼養者、実験実施者及び管理者等は、当該動物の飼養衛生管理基準に従い、当該動物の衛生管理を次のとおり実施する。

(1) 牛舎施設、豚舎施設及び鶏舎及び器具の清掃又は消毒は定期的に行うとともに、牛等及び作業衣、作業靴等を清潔に保つ。

(2) 牛舎施設、豚舎施設及び鶏舎の出入口には消毒槽及び消毒器具を設置し、手指、作業衣、作業靴等による感染症の病原体の拡散を防止する。

(3) 飼料及び水に、牛等及びねずみ、野鳥等の野生動物の排泄物が混入しないように努める。

(4) 牛等を新たに搬入する際には、当該動物の搬入による感染症の病原体の拡散を防止するため、当該動物に異常がないことを確認するまで他の動物と接触させない。

(5) 牛舎施設、豚舎施設及び鶏舎等の動物飼育エリアの出入口の扉は、出入りの際に開閉、それ以外では閉鎖するよう努める。

(6) 飼育施設の窓、出入口及び家畜ふん乾燥発酵処理施設のネットは、必要に応じて開閉し、通常時は閉鎖し、野鳥等の侵入を防止する。また、定期的にはえ等の害虫を駆除する。

(7) 牛等の健康管理に努め、異常を認めた場合には、速やかに管理者等に連絡する。

(8) 牛等の感染症の発生の予防に関する知識の習得に努める。

(飼育動物の飼養及び管理に関する情報の提供・開示)

第25条 センター長は、飼育施設等の動物の健康状態、飼養状況及び処理等についての情報を把握し、学内における動物の適正な飼育管理、感染症の発生予防及びまん延の防止対策並びに人への危害防止及び環境汚染の防止に関する必要な対応措置を講ずる。

2 実験動物管理者及び実習科目担当者は、飼養及び管理している動物の種類、数、移動状況、死亡の有無等の情報を様式第2号によりセンター長に報告する。

3 センター長は、前項の飼育動物に関する情報を開示する。

(生物科学総合研究所における家畜伝染病、狂犬病又はエボラ出血熱等に罹患した動物又は罹患した疑いのある動物並びに感染動物等の取扱い)

第26条 感染症の病原体を実験動物に接種して行う感染実験は、生物科学総合研究所感染エリアでのみ行うこととする。

2 動物が実験等の目的にかかわる感染症以外の感染症に罹患又は罹患による死体を発見した実験実施者又は飼養者は、速やかに動物の種類、性、年齢、数、発見の日時及び発見時の状況等を動物実験施設管理責任者に連絡する。

3 前項の連絡を受けた動物実験施設管理責任者は、速やかに附属動物病院に診断又は検案の依頼をする。ただし、動物実験施設管理責任者、実験動物管理者又は実験者が獣医師である場合は、自ら診断又は検案することができる。

4 前項の診断の結果、家畜伝染病にあっては第7条、届出伝染病にあっては第15条第3項、狂犬病にあっては第11条、及びエボラ出血熱等にあっては第14条を準用する。

5 家畜伝染病、狂犬病若しくはエボラ出血熱等のまん延の防止、並びに感染症の発生の予防のために必要な措置は、生物科学総合研究所長の意見を聴き、学長が別に定める。

(附属動物病院における家畜伝染病、狂犬病又はエボラ出血熱等に罹患した動物又は罹患した疑いのある動物並びに感染動物等の取扱い)

第27条 附属動物病院における家畜伝染病、狂犬病又はエボラ出血熱等に罹患又は罹患した疑いのある動物並びに感染動物等の取扱いは、附属動物病院長の意見を聴き、学長が別に定める。

(事務)

第28条 この規程に基づく事務は、総務部財務課が行い、センター長が統括する。

(規程の改廃)

第29条 この規程の改廃は、動物管理センター運営委員会の発議により、各学部教授会及び教学会議の意見を聴いて学長が行う。

この規程は、平成18年2月22日に制定し、同日から施行する。

この規程は、平成27年3月17日に改正し、平成27年4月1日から施行する。

別図1(第5条第1項関係) 略

画像

様式第2号(第25条第2項関係) 略

学内において飼養及び管理する動物の感染症の防疫に関する規程

平成18年2月22日 規程

(平成27年4月1日施行)

体系情報
第2編 学/第8章 その他大学関係
沿革情報
平成18年2月22日 規程
平成27年3月17日 規程