所属
獣医学部 基礎教育研究室
担当教員
小川 絵里 教授
研究キーワード
犬赤血球、ビタミンC(アスコルビン酸)、酸化ストレス
研究内容
柴犬の赤血球には、他の西洋犬にはみられない特徴がある。ひとつはカリウムおよびグルタチオン(GSH)濃度が高い赤血球で、常染色体劣性遺伝する。これまでに高GSHを示す赤血球は酸化ストレスに強いことを明らかにしてきた。もうひとつは、ビタミンCをリサイクルする能力が高い赤血球である。ビタミンCは生体内に広く高濃度で存在し、代謝、炎症、疾病などさまざまな原因で発生する活性酸素から組織を守る重要な役割を果たす。ビタミンC自体は酸化されDHAとなるが、DHAはグルコース輸送体Glut-1によりすみやかに細胞内に取り込まれ、主にGHSにより還元されビタミンCに再生される。柴犬には赤血球にGlut-1を持つ個体と持たない個体が存在し、Glut-1を持つ犬赤血球は、ビタミンCリサイクル能が2~3倍優れていることが判明した。他の犬種では、出生直後は高Glut-1赤血球を持つが、6か月齢までに消失し、Glut-1は成犬赤血球で見つかっていない。Glut-1を赤血球に持つ柴犬は、酸化ストレスおよび酸化ストレスに起因する疾病に対して抵抗性が高いのではないかと考えられる。現在、加齢および疾病によるビタミンC代謝の変化を、獣医師との共同研究で調べている。また、細胞レベルでは、柴犬赤血球Glut-1の速度論的解析をおこない、ビタミンCの膜輸送および再生のメカニズムを解明しようとしている。さらに、赤血球Glut-1の発現メカニズムを明らかにし、遺伝様式を確立したいと考えている。
先生から一言
場所
獣医学部棟 6階

