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プレスリリース:麻布大学環境科学科が島根県美郷町で実習を開始

学生14名が野生動物に関する実習などのフィールドワークを体験

麻布大学 生命・環境科学部 環境科学科は、2021年4月に開設された島根県美郷町にある麻布大学フィールドワークセンターを拠点とした実習を2021年12月16日~20日に実施しました。

本学は、2021年4月に、麻布大学フィールドワークセンター(センター長:生命・環境科学部教授 江口祐輔)を島根県美郷町に開設し、環境科学科の授業科目「生物多様性フィールドワーク演習(コーディネーター:生命・環境科学部特任助教 新田梢)」において、本学の学生14名(学部学生12名、大学院学生2名)がはじめて美郷町で実習を行いました。

学生たちは、様々な実習を通して、野生動物の性質を生かした対策の実践について学び、美郷町の自然と人とのつながりの重要性について実感しました。

食肉加工施設での様子

食肉加工施設での様子

センサーカメラ設置の様子

センサーカメラ設置の様子

今回は野生動物に関する実習として主に、センサーカメラ(赤外線自動撮影装置)を動物の痕跡を探して設置・回収して行動と調査法を学び、また食肉解体処理施設で捕獲されたイノシシの解体処理作業を見学して屠殺個体が食肉となる過程を学びました。さらに鳥獣害対策を実施している農家を訪問し、イノシシやサルから農地を守るための対策を視察後、周辺の植物調査などのフィールドワークを短期間に集中して実施しました。

実習の概要に関して

12月17日(金)

・地元で捕獲され、美郷町独自の生体輸送システムで搬入されたイノシシの解体処理作業をタイガー株式会社(美郷バレー協定企業)食肉解体処理施設において見学し、屠殺個体が食肉になるまでの過程を学んだ。
・野井地区において鳥獣害対策を熱心に実施している農家を訪問し、イノシシやサルから農地を守るための対策(侵入防止柵)を視察後、農地および周辺の植物調査を実施した。
・野生動物実習として、センサーカメラ(赤外線自動撮影装置)の使用方法を学び、学生がフィールドワークセンター周辺で野生動物の痕跡を探してセンサーカメラを設置した。

12月18日(土)

・乙原地区の鳥獣害対策実証圃場(乙原サロン畑)において農家が地域ぐるみで行う鳥獣害対策の説明を聞き、捕獲に頼らない対策の考え方を学んだ。また、株式会社おおち山くじら(美郷バレー協定企業)でイノシシ肉の缶詰加工の過程について学んだ。
・乙原公民館において婦人会の方々による青空クラフトの活動について説明を聞き、イノシシの皮を活用した革製品の製作過程などの婦人会の活動を実際の革製品を見ながら学んだ。
・野生動物の餌場や潜み場所となっていた茂みと放任果樹を伐採したことで、林間学校と呼ばれる地元の子どもたちも学べるようになった場所で、総合的な鳥獣害対策における環境管理について学んだ後に、植物調査を実施し、前日の植物調査結果と比較した。

調査報告の様子

獣害対策の説明を受ける様子

調査報告の様子

調査報告の様子

12月19日(日)

・フィールドワークセンターに設置したセンサーカメラを回収し、江口教授から野生動物の行動と調査法について詳しく説明を受けた。
・美郷町の山くじらブランド推進課の安田亮課長から、美郷町における獣害を逆手にとって住民が地域づくりに生かしてきた20年余の歴史と麻布大学との取組み(美郷バレー構想)について講義を受けた。
・学生が二人一組で実施した植物調査の結果をまとめた。調査で気がついたことを発表し、最後に美郷町での実習全体の感想を述べ合った。

本学は今後も、地域と連携し、フィールドワークセンターを教育・研究に活用していきます。

<関連情報>
プレスリリース:「麻布大学、フィールドワークセンターの開設式を3 月24 日に開催(2021/3/17)」

<島根県美郷町について>
麻布大学フィールドワークセンターのある島根県美郷町は美郷バレー構想を掲げています。美郷バレー構想とは、「鳥獣害対策と住民の取り組みに関しては島根県美郷町に行けば、新しい技術や情報が入り、人脈も広がる」という思いから、日本をリードする「鳥獣害対策版シリコンバレー」、すなわち、産官学民が自発的に集い、互いが刺激し合って地域活性化の革新につなげていく場です。麻布大学は美郷町のおおち山くじら研究所とともに美郷バレー構想の連携の中核を担っています。

<環境科学科について>
環境科学科は、生活環境や都市環境のレベルから環境問題を捉え、高度化・多様化する社会からの需要に科学的なアプローチで対応できる人材を育成します。これまで、様々な環境問題について分析・評価、衛生、保全・教育などの観点から教育・研究を行ってきましたが、一昨年、今後おこり得る環境課題にも対応すべく新しい科学領域「未来共生科学」を提案し、社会連携型プロジェクト学習・フィールドワーク・気候変動の3つの教育・研究プログラムをスタートさせました。持続可能な開発目標SDGsを見据えた総合的かつ実践的な科学を推進します。
環境科学科
環境科学科 特設サイト

<お問い合わせ先>

・担当:麻布大学 広報課 担当:有嶋、檜垣
・電話:042-769-2032
・メール:koho(a)azabu-u.ac.jp ※(a)を@に変更してください。