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獣医学部 塚田教授 編著「野生動物のロードキル」発刊のお知らせ

本学獣医学部動物応用科学科 塚田 英晴教授が編者の一人となり、分担執筆した書籍「野生動物のロードキル」が東京大学出版会より発刊されます。12月28日より店頭に並びます。

ロードキルとは、野生動物が道路に出没した際に、車に轢かれて死んでしまうことです。こうした不幸なできごとが日本各地のさまざまな動物で報告されています。

本書では、このようなロードキルの実態を、哺乳類を中心として日本で初めて体系的に紹介し、その対策や今後のあり方ついての展望をとりまとめました。野生動物に興味がある方のみならず、道路の維持管理に関わる方々、さらには道路を使われている多くのユーザの方々にお読みいただき、ロードキルの問題を知り、ご自身がどう関われるかを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

塚田教授著「野生動物のロードキル」

【内容】

野生動物のロードキル問題とはなにか。最前線に立つ研究者たちが普通種から絶滅危惧種、さらに外来種まで、その実態を詳細に紹介し、今後の対策について展望する。野生動物の保護管理担当者、ロードキル問題に携わる道路関係者や行政担当者の必携書。


【主要目次】

はじめに

序章 「ロードキルという悲劇」――ワイルドライフマネジメントの今日的課題(塚田英晴)

I ロードキル問題とはなにか

第1章 ロードキル問題の歴史的背景
第2章 道路による野生動物への生態学的影響

II ロードキルに遭う動物たち
第3章 エゾシカ――大型動物のロードキル
第4章 キタキツネとエゾリス――普通種のロードキルとその対策
第5章 タヌキ――ロードキルの5W1H
第6章 ハクビシンとアライグマ――個体群管理を介したロードキル
第7章 ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ――ロードキルとその対策
第8章 アマミノクロウサギ――世界自然遺産の島で多発するロードキル
第9章 ケナガネズミ――樹上性哺乳類のロードキル
第10章 エゾモモンガ――滑空性哺乳類の分断化対策
第11章 ヤマネ――樹上性哺乳類の分断化対策
第12章 野ネズミ――森の分断化が遺伝的分化に与える影響

III ロードキルをどう防ぐか
第13章 ロードキルデータの現状と課題
第14章 ロードキル個体の防疫対応と疫学への応用
第15章 ロードキルの防止と抑制対策
第16章 ロードキルのモニタリングとデータの活用
第17章 ロードキル対策の再考――ワイルドライフマネジメントの視点から(塚田英晴)

終章 これからのロードキル問題――道路生態学への応用(園田陽一)

おわりに(塚田英晴・園田陽一)

引用:東京大学出版会「野生動物のロードキル」

<関連情報>

動物応用科学科 教授 塚田英晴