理事長のご挨拶
理事長就任にあたって
前期に続き麻布獣医学園の理事長を拝命いたしました。理事長2期目に当たりご挨拶を申し上げます。
令和2年6月、新型コロナ感染症の感染拡大の中でスタートした前期理事会では、時代を切り開くフロントランナーの育成、時代に即した「実学の麻布」の達成をビジョンとする第4期の中期計画・中期目標の下で、学生・生徒の成長を第一に、大学教育、研究・社会連携、社会的価値・大学認知度の向上、高校教育、学園運営・経営・教育の展開と経営の安定化について具体的な事業計画を定め、中長期の課題、時々の課題に取り組んできたところです。
新型コロナ感染症への対応については、大きな制約を受ける中、学生、生徒の感染防止、オンライン授業の体制整備など教職員の尽力により、現在では日常が取り戻されたばかりではなく、これも契機としてICTを活用した教育、研究、学園運営体制の整備が図られました。
また、数年来大きな課題とされてきた入学者の確保については、大学では、高大接続や出る杭プログラムなど新たな教育研究活動の展開、入試広報の強化や入試方式の見直し、そして獣医学部への新学科としては30年ぶりになる獣医保健看護学科の設置によりこの春には全学科で入学定員も確保されたところです。一方、年々進学校としての評価を高めている附属高等学校にあっては、生徒数の適正化を図りさらなる教育の質の向上に取り組んでいます。
もう一つの課題であった大学附属動物病院の強化については、診療体制の強化、情報発信の強化などで診療件数も増加し、この1月には増改築工事も完了して新たなスタートを切っています。
私立大学の半数が入学定員未充足となり、その多くが厳しい経営となる中で、学園をはじめ、大学、高等学校の運営は教職員の尽力の下、概ね順調に推移しています。とはいえ、今後の私学経営を考えれば、少子化はさらに加速し、深刻な影響を受けることになることから、魅力ある選ばれる学びの場作りを休むことなく継続していく必要があります。
本学には明治23年にはじまる獣医学をはじめとした生命科学に関する教育・研究の長い歴史があり、附属高等学校もすでに60年を超える歴史を刻んでいます。本学の歴史は社会の大きな変化と窮地に対応し乗り越えてきた歴史でもあります。変化の激しい時代、生涯学び続ける力が必要と言われ、高校、大学はその出発点と言われています。これまで培われてきた有形、無形の教育、研究資源を最大限活用し、学生・生徒の成長できる学びの場作りに大学、高校、学部、学科の別なく一体となって取り組んで行く必要があると考えています。
これからも中長期、時々の様々な課題について、教職員の意見にもよく耳を傾け、評議員会のご意見もお聴きし、理事会でその方向付けをして誠実に強い気持ちを持って取り組んでまいります。皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
令和6年6月 理事長 小倉弘明
理事長プロフィール
1959年 鳥取県生まれ
略歴 |
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その他の役職 |
一般社団法人全国肉用牛振興基金協会専務理事 一般財団法人生物科学安全研究所評議員 公益社団法人畜産技術協会理事 ほか |