麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

環境を守るお手伝いができ、やりがいを感じます

技師
中外テクノス株式会社 関東環境技術センター 計測技術室 池畑 太陽
2020年卒業/神奈川県立座間総合高等学校出身 (取材:2021年2月)

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研究活動を通して忍耐力がつき、思考力が向上

 私は子どものころから、環境問題についてできることから取り組んでいかなければならないと、漠然と考えていました。進路選択をする時期になると、地球温暖化防止が取り沙汰されるなど環境に対する意識が一層高まっていることを感じ、将来は環境分野の道に進みたいと思うようになりました。ただし一口に環境といっても幅広く、近年では環境を取り巻く問題が多様化しています。そこで、さまざまなアプローチから環境が学べ、自分の可能性が広がりそうだと感じた麻布大学を選びました。
 大学では「環境分析学研究室」に所属し、水や土壌、生物に存在するさまざまな化学物質を分析することを学びました。研究室に入る前から、実習授業を通して器具の扱い方を習っていたことから、研究する時点では既に分析器具の操作には慣れていました。また、研究室では先生に相談に乗っていただくこともありましたが、自ら予定を組み、自主的に実験を進めました。ちなみに卒業研究のテーマは、蛍光X線分析における鉱物効果の影響を考察するものです。この研究に必要な土壌の粒子を細かくする作業も単独で行ったため、粘り強くひとつのことをやり遂げる自信がつきました。さらに、蛍光X線分析から検知されるマグネシウムの含有量に差が出る理由を突き詰める内容だったため、思考力が高まったと感じます。

環境科学について、広く深く学ぶ

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 卒業した今、あらためて「環境科学についての知見が得られる麻布大学を選んで良かった」と思っています。私の場合、授業や研究室を通じて分析器具の取り扱い方法を習得でき、今の仕事における分析作業に役立っていることが大きなメリットでした。私に限らず、環境科学科に所属するほかの学生にとっても環境を幅広く学べる上に、それぞれの興味に応じて専門性を高められるでしょう。特に私と同じ職種をめざす方には、環境分野を広く深く勉強できる麻布大学をお勧めします。
 先生方も気さくな方が多く、質問しやすい環境が整っています。特に研究室でお世話になった先生が、私の印象に残っています。先生との最初の出会いは、1年次の授業です。まずは先生の親しみやすいお人柄に魅力を感じました。授業の合間などでの何気ない会話を通して、次第に先生が担当する研究室に興味を持つようになったのです。研究室を選んだきっかけはまさにこの先生にあったと、今振り返ると思います。また、就職活動におけるサポートも充実していました。中でも「就職活動対策講座」では、インターンシップの活用方法や企業へのアプローチ方法など、就職活動をスムーズに進めるためのノウハウが凝縮されており、とてもためになりました。今の会社に就職できたのは、この講座があったおかげです。

環境保全への意識がさらに高まり、今の会社に就職

 大学での学びを通して、生態系に影響を与えないよう少しでも環境汚染を防いで環境を守らなければという意識がさらに高まり、今の会社に入社しました。当社が扱うのは大気・排ガス・水質・排水・土壌・廃棄物・悪臭など非常に幅広いです。大学時代に所属していた研究室でも水から土壌までさまざまなフィールドを研究対象としていたため、卒業後も環境の多様な側面を見ていきたいと考えたのも、当社を選んだ理由のひとつです。
 現在の仕事では、環境計測業務に携わっています。「大気汚染防止法」に基づき、規制対象となっている工場や焼却施設などの排ガス濃度を測定し、分析を行っています。このほか、火力発電所や清掃工場などの排煙処理装置の排ガス性能試験にもかかわっています。
 大気・排ガスというと、大学時代に受けた授業を思い出します。業務に携わる中で、教科書や講義で見聞きした事柄が多々出てくるからです。この点においても、やはり大学の学びが今に生かされています。社会人1年目は覚えるべきことがたくさんありますが、その一部でも先取りできたように感じます。
 仕事のやりがいは、出張で全国各地を訪れた際に実感します。さまざまな場所で環境を守るお手伝いができていることを、とても誇りに思います。また一段と皆さまのお役に立てるよう、大気や水質の汚染物質の濃度などを適正に計ることを目的とした国家資格「環境計量士」の取得をめざして少しずつ勉強を進めています。これからも自分の仕事に責任を持ち、測定分析業務への理解をさらに深めていきます。

学びのツール

e_ikehata03_.jpg大学で初めて手に入れた関数電卓。手のひらサイズにもかかわらず標準偏差などの面倒な計算を即解決でき、実習で重宝しました。データ分析には欠かせないことから高性能機種に買い替え、仕事で使っています。