麻布大学

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入学式における学長告辞

平成30年度 - 入学式における学長告辞

新入生の皆さん、麻布大学へのご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族をはじめ、関係の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。本日ここに、多数のご来賓の皆様並びに関係各位のご臨席のもと、平成30年度 麻布大学入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同の大きな喜びであります。

皆さんが入学された麻布大学は、今から128年前の明治23年に当時の東京市麻布区に開設された『東京獣医講習所』という小さな学校からスタートしました。創立者は輿倉東隆(よくらはるたか)先生です。輿倉先生は、留学を通してご自身が経験した先進諸国の新しい教育を実践するために、帰国後、私財を投じて本校を創設しました。学校は4年後の明治27年に「麻布獣医学校」と改称し、その後、幾多の変遷を経て、今、みなさんがいる、麻布大学となり、現在では2学部5学科と2つの大学院研究科を擁する、在校生数2,654人という自然科学系専門大学となりました。

さて、麻布大学には創立者が本学を開設した思いを示した『建学の精神』というものがあります。これには創立者が、この学校をどのような目的で、どのような学校にしていきたいか、という思いが表されています。ここで新入生の皆さんとそのご家族に、本学の『建学の精神』をご紹介致します。本学の建学の精神は『学理討究と誠実なる実践』です。我々はこの精神に従い、ここに学ぶ者に『確かな知識を伝えそれを裏付ける確かな技術を習得させる』ことを教育の目標とする「実学主義」を標榜し、教職員が一丸となり、教育に取り組んでおります。この結果、これまでに獣医学、動物応用科学、臨床検査技術学、食品生命科学、環境科学の分野に有為な人材を育成し、輩出してまいりました。

今日ははじめに入学した皆さんに直接関係のある本学の現在の取組の一部を紹介します。
1つ目は、大学は人、動物、環境をつなぐ「地球共生系One Health」という本学の教育理念である麻布スタンダード科目を、入学した全ての学生さんに学んでいただくため、全学共通科目「地球共生論」を開講し、ここに学ぶ者全ての学生にこの教育理念が伝わるようにしています。
2つ目は、大学は皆さんのスタートダッシュに際して一人ひとりに向き合ったきめ細かい指導をいたします。学生の皆さんが今までの学習を復習し、新しい学習に不安なく取り組めるように、補習授業、個別指導あるいは履修相談などを通年にわたり実施しています。誰でも希望があれば受けることができます。皆さんの在学中の成績の伸びは入学時の成績ではなく、1年次終了時の成績に関係があると言われています。この初年度の過ごし方はとても大切なので大学はそのサポートをしています。
3つ目は、大学の教員は、自らの教育法を絶えずチェックしています。教員自らの講義や実習を、それを受ける学生によって評価してもらうことによって、教育法を絶えず改善する機会を作っています。また、優れた教育を行う教員に対し、グッドティーチング賞を贈りそれを顕彰し、また優れた教育法を提案する教員へ研究費の特別支援を積極的に行っています。
4つ目は、大学は建学の精神にある確かな実学教育の実現のため、実習教育施設の整備、校外実習の確保のほか、実習で用いる最新の分析機器や検査機器の導入などを必要に応じて充実を図っています。
こうして全学を挙げてしっかりとした教育指導体制を作っています。

さて、本日、大学院研究科に入学された皆さん、本学は現在、国の研究支援事業である 私立大学研究ブランディング事業の世界展開型事業を実施中です。本学のユニークな研究テーマである「人、動物、環境の共生 One Health」という麻布大学の研究ブランドの確立に向けて多くの研究が進行中です。このように教育ばかりでなく研究に関しても、しっかりした指導体制ができていますので、大学院に入学された皆さんも、これから教員の研究指導の下、積極的に研究に励んでいただけます。

本日入学された皆さんはこれからそれぞれの年数をこのキャンパスで過ごすことになりますが、ここでの過ごし方について、一言お話致します。まず1つ目は、これからは人から言われるのではなく自らの意思と意欲で学んでください。皆さんがこれから過ごす大学は、皆さんが自ら学ぶ所です。大学に入り、学年が進むと、専門の講義あるいは実習や演習などが始まります。高等学校までの授業のように、講義をただ一方通行で聞いていてそれで終わりとか、実習もただその時間を過ごすのではなく、自らの意思で積極的に参加して、そこで学んだ内容を、自らがより深める経験が大切であります。皆さんが大学を卒業し、社会に出るとき、社会は皆さんの『物事に積極的に臨む姿勢やその心構え』を見ます。こうした大学での学び方は、このことを普段から身につけることになります。2つ目は、専門教育のための基礎教育と人間の幅をつくる教養教育をしっかり学んでください。皆さんは大学へは自分の夢の実現、また身に付けたい専門や技術を学ぶために入学してきています。大学はそのために皆さんに習得してもらう専門知識を体系的に組み立て、学びは基礎から応用へと専門家になるべく学びが進んでいきます。一方、皆さんが社会に出ると社会にはさまざまな人がおり、その人たちとともに広く接することになります。そこで他者の専門性を理解したり、他者の考えを理解するために、皆さんには基礎教育、教養教育を行いますので、専門科目のみならず、基礎教育や、人間としての基礎的教養を身につける科目もしっかり学んでいただきたいと思います。こうした教育は、より豊かに生きるための「倫理観」「判断力」と「行動力」をみなさんに与えてくれます。またこの教養は大学の学びだけで身につくものではなく、学生時代であれば人との付き合い、部活動、サークル活動、アルバイト、旅行での人との出会いなど、社会的な交流を通した体験でも身につくものであります。皆さんはこうした体験を通して、教養という力を身につけて、教養ある専門家となっていただきたいと思います。3つ目です。大学にはそれぞれ異なった場所から人が集まってきます。他人の多様な考えを知るため、あるいは自分自身の考えを持つために、これらの友人たちと積極的に関わり、コミュニケーション能力を高めてください。この能力は社会において、より一層必要となります。

大学時代は、おそらく人生の中で、自分自身の時間を最も自由に使うことのできる、かけがえのない時となります。大学時代に何を学び、経験し、どのように過ごしてきたかは、皆さんの今後の将来にも関わって来ると言っても過言ではありません。こうして数年後には自分自身に大きな付加価値を付けて、巣立ちの時を迎えましょう。 本日、麻布大学は、皆さんを大きな喜びを持ってお迎えしましたが、私たち教職員は、数年後、皆さんが、卒業されるときに、『麻布大学で学んで本当に良かった』と満足し、『自信と誇り』を持って社会に巣立っていくことができるよう、ご指導することをお約束致します。本日はおめでとうございます。

平成30年4月2日

麻布大学長 淺利 昌男