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卒業式における学長式辞

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平成29年度 - 卒業式における学長式辞

ここ相模原にも春の訪れを感じる季節になりました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。大学を代表してお祝い申し上げます。皆さんがここまで来られたのも、ご自分の努力は勿論ですが、ご家族やその他、周囲の方々のご支援があったからこそではないでしょうか。皆さんはその事への感謝を忘れないようにしてください。ご父母あるいはご関係の皆様、本日はおめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます。卒業までの間、本学に賜りましたご支援とご協力に改めまして感謝申し上げます。また、今日の学位授与式には学園役員あるいは名誉教授、同窓会、父母会から多数のご来賓のご臨席を賜りました。特に本日の学位授与式には 昭和35年に麻布大学の前身である麻布獣医科大学をご卒業された諸先輩も、本日をもって社会に巣立つ麻布の後輩たちを祝福するためにご臨席いただいております。本日はありがとうございます。

先ほどの学事報告にもありましたように、本日、学部では536名、大学院では28名の皆さんが本学を卒業されます。皆さんは、4年前、6年前の、期待と不安が入り混じった気持ちで席に着いた入学式の日から、今日まで、勉強や研究、クラブ・サークル活動にと、楽しかったこと、苦しかったことなどさまざまな経験をし、大学生活を送ってこられたと思います。今この卒業式の場にいる皆さんの胸のうちは、学生生活が終わると言う安堵感と寂しさ、そして4月からの新しい生活に対する期待や不安に満ちていることと思います。

皆さんは本学の建学の精神は覚えておられるでしょうか。建学の精神とは学校の開設者の、この学校ではこういう教育をしたいと言う「学びの心」を明示したものです。本学は【学理の討究と誠実なる実践】と言う言葉をそれとしています。正門の植え込みの石碑に言葉の前半だけが刻まれています。なぜ石碑には言葉の前半部分だけが刻まれ、後半の部分は刻まれていないのでしょうか。このように解釈してください。この言葉の意味するものは、広く言えば学問を学問の世界に留めず、実際に社会に役立たせることが肝要であると言うことです。逆説的に言えば、理論を学び、知識を深め、考えを育てても、何も行動を起こさなければ何ひとつ生み出すことができないということでもあります。皆さんが今日麻布大学を卒業するにあたって、この言葉の後半部分「誠実なる実践」を今度はご自分の胸に刻んで、社会に羽ばたいていただくためです。

さて、皆さんがこれから入っていく社会では、少子高齢化が進み、経済・社会のグローバル化の波が押し寄せ、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展する知識基盤社会を迎え、間違いなく我々の生活環境や就業形態が大きく変化していきます。このような未知の、予測不能な時代を生き抜くために皆さんは次の最も基本的なことを意識してください。

テーマは 自己の変革です。

それは【自分を磨き人間力をつけること】です。人間力とは人間としての幅や深さのことです。人の能力を越える人工知能が主役になる時代に、その人工知能自らが持つことができない、人間らしい力を備えましょう。それにはどうするか? 今動いている社会を常に知り、さまざまな人と交流を持って多様な考えを知ることが大事です。皆さんはこれからもいろいろ見聞きし、人間らしい倫理観の醸成や教養を深め、多様で幅広い分野を多角的に見る目を持つようにしてください。こうすることを積み上げることにより、人工知能には不可能な、答えのない課題に接した際に、一人の人間としてこの課題の答えとなる全く新しいアイディアを生み出す力が養われます。

こうして皆さんは、今お話しした人間力をさらに磨くことで、自己を変革し続けてください。とても基本的なことですが、このことが、これからの社会を生き抜く力になります。この自己を変革する、つまり自分を変えていくと言う言葉から思い出されるのは、皆さんがよく知っている、高名な地質学者、生物学者で種の起源の中で、自然選択説を提唱した英国のダーウィンの有名な言葉です。(進化の過程では)最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き残るのでもない。唯一生き残るのは(環境に合わせて)変化するものである。この古い言葉は、まさにこれからの新しい時代を生きる我々への教えでもあります。

さあ、皆さん。これから進む実社会では、失敗を恐れず、それぞれの課題に意欲的に取り組んでください。完璧な人間なんていません。失敗は将来の成功のためです。今後皆さんは、誇りある麻布大学OB,OGとしてそれぞれの分野で、社会の一隅を照らす、輝く人材となっていただくことを学長として期待します。

最後に皆さんが素晴らしき人生を送られることを祈念し、学長の式辞と致します。ご卒業おめでとう。

平成30年3月15日 本学 麻布獣医学園アリーナにて