大学の歴史
建学の精神
本学の建学の精神は『学理の討究と誠実なる実践』である。
本学は、創設者與倉東隆先生の建学の精神である、学理を討究し実践を重んじる誠実なる校風を受け継ぎ、人と動物との共存及び、人と自然環境との調和の途を探求することを目的として獣医学、動物応用科学及び環境科学に関する専門の知識を教授研究し、その応用力の展開をはかるとともに、進んで学術の進歩と国民生活の向上に寄与し、平和社会の建設に貢献することとしている。
麻布獣医学園発祥の地
学校法人麻布獣医学園は、その前身である東京獣医講習所が、東京市麻布区本村町204の私立慈育小学校の一部を借り開設されたのがその始まりです。慈育小学校は、貧しい人々のために1887(明治20)年に曹渓寺住職・絶江宗育が幹事となり近在の寺と共同で同寺内に開設した学校で、その後東京市直営のものとなっております。
東京獣医講習所では、全国から選抜推薦された獣医師に6か月間、解剖、生理、薬物、内科、外科、蹄鉄、病院実習、蹄鉄実習を教授しました。その後、1894(明治27)年1月には麻布獣医学校が開設、1895(明治28)年10月には近隣の麻布区新堀町に校舎を新築し移転しましたが、1945(昭和20)年5月に戦災により学園諸施設を消失したため、神奈川県相模原市に移転し現在に至っております。
麻布獣医学園発祥の地については、交通量の激しい首都高速道路や明治通りから一歩入った閑静な住宅街が建ち並ぶ一画に「麻布獣医学園発祥の地」の記念碑が建つ曹渓寺(日東山曹渓寺〔臨済宗〕/東京都港区南麻布2-9-22)があります。
慈育小学校のあった地は、現在では住宅街となっておりますが、古くは曹渓寺の一部であったことから、境内の一部が発祥の地と定められたとのことです。
大学の沿革
本学は建学の精神に基づき、一途に獣医畜産学の教育研究に精進してきたが、獣医師法の一部改正に伴い、昭和53年4月から獣医学教育年限延長の第1年次が発足した。一方、経済成長に伴う社会の要請により人間の健康維持と、これを阻害する環境因子との相互関係を総合的に把握し、究明する創造力に富んだ研究者並びに専門技術者を養成する目的で環境保健学部を開設した。また、環境保健学部の設置に伴い、大学名を昭和55年4月から「麻布大学」と変更した。
創立以来130余年、幾多の変遷を経て今日、獣医、環境保健両学部、そして、平成20年度から環境保健学部を改組し新たに設置した「生命・環境科学部」と大学院からなる特色ある大学に発展した。なお、昭和58年5月には、学校教育法の一部が改定され、獣医学教育の修業年限が6年と定められ、昭和59年4月の入学者から学部6年の一貫教育が行われるようになった。その歩を要約すると次のとおりである。
明治
明治23年(1890年)9月 | 與倉東隆が、東京市麻布区本村町(現,港区南麻布2-9)に東京獣医講習所を開設 |
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明治27年(1894年)4月 | 麻布獣医学校開設 |
明治28年(1895年)10月 | 麻布区新堀町校舎新築 |
明治45年(1912年)3月 | 麻布獣医畜産学校と改称 |
大正
大正9年(1920年)9月 | 学校設置者を個人から財団法人に改め財団法人麻布獣医畜産学校を設立 |
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昭和
昭和9年(1934年)4月 | 麻布獣医専門学校に校名変更 |
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昭和19年(1944年)12月 | 麻布獣医畜産専門学校と改称 |
昭和20年(1945年)5月 | 戦災により学園諸施設焼失 |
昭和22年(1947年)6月 | 現在地(神奈川県相模原市)に移転 |
昭和25年(1950年)4月 | 学制により麻布獣医科大学として開学 |
昭和26年(1951年)3月 | 経営母体の組織が財団法人から学校法人に変わり学校法人麻布獣医学園となる |
昭和32年(1957年)4月 | 獣医学部獣医学専攻科開設 |
昭和35年(1960年)4月 | 大学院獣医学研究科獣医学専攻修士課程開設 |
昭和36年(1961年)5月 | 麻布獣医学園渕野辺高等学校開校 |
昭和37年(1962年)4月 | 大学院獣医学研究科獣医学専攻博士課程開設 |
昭和40年(1965年)4月 | 麻布公衆衛生短期大学開学 |
昭和51年(1976年)4月 | 獣医学部家畜環境学科開設 |
昭和53年(1978年)4月 | 環境保健学部(環境保健学科および衛生技術学科)開設 |
昭和53年(1978年)11月 | 獣医学部獣医学専攻科廃止 |
昭和54年(1979年)6月 | 麻布公衆衛生短期大学廃止 |
昭和55年(1980年)4月 | 麻布獣医科大学を麻布大学に名称変更、獣医学部家畜環境学科を環境畜産学科に名称変更 |
昭和59年(1984年)4月 | 学校教育法の一部改正により獣医学教育の6年制発足 |
昭和60年(1985年)10月 | 渕野辺高等学校の校名を麻布大学附属渕野辺高等学校に名称変更 |
昭和63年(1988年)4月 | 附置生物科学総合研究所開設 |
平成
平成2年(1990年)4月 | 大学院獣医学研究科獣医学専攻博士課程(4年制)開設 |
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平成2年(1990年)11月 | 学園創立100周年記念式典 |
平成5年(1993年)4月 | 大学院獣医学研究科動物応用科学専攻修士課程開設 |
平成6年(1994年)4月 | 獣医学部環境畜産学科を獣医学部動物応用科学科に改組 |
同 | 大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻修士課程開設 |
平成7年(1995年)4月 | 大学院獣医学研究科動物応用科学専攻博士(前期・後期)課程開設 |
平成8年(1996年)4月 | 大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻博士(前期・後期)課程開設 |
平成10年(1998年)4月 | 環境保健学部環境保健学科を環境保健学部健康環境科学科に名称変更 |
平成11年(1999年)3月 | 獣医学部環境畜産学科廃止 |
平成11年(1999年)4月 | 環境保健学部に環境政策学科を開設 |
平成14年(2002年)9月 | 百十周年記念会館竣工 |
平成15年(2003年)4月 | 大学院環境保健学研究科環境衛生政策専攻修士課程開設 |
平成18年(2006年)8月 | 獣医学部棟竣工 |
平成20年(2008年)4月 | 環境保健学部を改組し、生命・環境科学部を開設 |
平成22年(2010年)3月 | Companion Dog Laboratory(コンパニオン・ドッグ・ラボラトリ)竣工 |
平成23年(2011年)9月 | 生命・環境科学部棟、麻布獣医学園アリーナ竣工 |
平成25年(2013年)7月 | 馬場の移設竣工 |
平成26年(2014年)3月 | カフェテリアさくら竣工 |
平成26年(2014年)4月 | 麻布大学附属渕野辺高等学校の校名を麻布大学附属高等学校に名称変更 |
平成26年(2014年)7月 | 産業動物臨床教育センター(LAVEC)竣工 |
平成27年(2015年)3月 | テラスいちょう竣工 |
平成27年(2015年)9月 | 学園創立125周年記念式典挙行 |
平成27年(2015年)9月 | 麻布大学いのちの博物館開館 |
平成28年(2016年)3月 | 大学院環境保健学研究科環境衛生政策専攻廃止 |
平成29年(2017年)1月 | 豚舎竣工 |
平成30年(2018年)7月 | 小動物舎竣工 |
令和2年(2020年)2月 | 厩舎竣工 |
令和2年(2020年)9月 | 学園創立130周年 |
令和3年(2021年)4月 | 麻布大学フィールドワークセンター(島根県美郷町)開設 |
令和4年(2022年)8月 | 牛舎竣工 |
令和5年(2023年)2月 | 羊舎竣工 |
令和6年(2024年)4月 | 獣医学部獣医保健看護学科開設 |