麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

水という、生活に欠かせないものに貢献する仕事ができて充実しています

購買担当
株式会社クリタス 購買部 購買課 豊島 英都子
2020年卒業/宮城県多賀城高等学校出身(取材:2022年3月)

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震災で感じた水の大切さと将来の道

 中学2年生の3月に東日本大震災で被災しました。私が暮らしていた地域では、ガスや電気などのライフラインが寸断され、特に水道は数週間たっても地下に水があふれだすなど被害が続きました。その経験から、水は私たちの生活で何物にも代えがたく欠かせないものであり、将来は水に関する仕事に就いて、社会生活を守りたいと思うようになりました。高校1年生のときには先生の勧めもあって、街の中に「津波波高標識(津波標識)」を設置するボランティア活動を行いました。この体験をきっかけに、環境保全や生物保護、ライフライン維持に対しても関心を持つようになりました。そんな高校生活だったので、大学選びは将来の仕事選びにつながるような学部で、さまざまなことを学べるところへ行きたいと考えていました。
 麻布大学の環境科学科は、多様な視点で環境に関する勉強ができるのと併せて、世界的な環境動向を反映した学習もできるところにひかれました。また、遺伝子工学の研究室もあったことから、環境だけにとどまらず、生物やバイオに関する深い研究もできそうで、自分が望めばいろいろなことを学べ、視野を広げられそうだと感じたことも魅力でした。将来は水にかかわる仕事をしたいと思っていましたが、それに加えて、関心のある分野についても幅広く学べる機会がほしいと思っていたため、環境科学科を選びました。

さまざまな講義の内容が結びついて広がる知識

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 環境科学科ではさまざまな科目が用意されていて、1・2年次は理系全般の基礎固めを偏りなくしっかりすることができました。もともと理系科目があまり得意ではなかったのですが、最初にしっかり学べたことは、後に続く力になったと感じています。ただ、個々の講義の内容はやはり難しく、例えば、生理学という生体機能に関する講義では、高校の生物よりもずっと深い内容で、一回ずつしっかり理解して次に臨まないとついていけず、苦労もしました。その一方で新しい知識がどんどん増えていくのが実感できて、楽しく充実した時間でもありました。
 自分の中では将来やりたい仕事がはっきりしていたので、正直にいえば「将来やりたいことに直結しないかもしれない」と思う科目があったのも確かです。けれど、そういうことを学べるのも大学での経験なので、むしろ「勉強のしがい」を感じていました。実際、今の仕事に就いてからは、大学で学んだ「やりたいことと直結しなかった」ことが、お客様との会話のタネになったり、視野を広げることに繋がったりする部分がたくさんあります。また、座学と実習・実験のバランスが良かったのも楽しく学べた要因かと思います。教科書で学んだことをすぐに手を動かして体感できたり、ある授業で学んだことが、他の授業での知識に結びついたりして、幅広くさまざまなことを学べ、自分の中の知識を広げていくことができました。

知識と思考力を培って得られた喜び

 環境科学科には魅力的な研究室がそろっています。なので、2年次後期の研究室選びは非常に悩みました。特に、将来志望する仕事に直結する水環境の研究室にするか、それとも、学問として関心のあった遺伝子工学の研究室にするかは、最後の最後まで考えました。最終的には、「まずは大学でしかできない勉強をしよう」と環境遺伝子工学研究室を選択。卒業論文では、遺伝子組み換えをしたヒト培養細胞を用い、新しい変異原性試験方法の開発に関する研究を行いました。実験では、仮説から検証までを繰り返してたくさん失敗もしましたが、その壁を越えた後に望んだ実験結果が現れた際には大きな達成感を味わうことができました。研究室に所属するまでに幅広く学び、知識や思考力を培うことができたからこそ得られた喜びだと思います。
 研究室の先輩や同期と励まし合ったり、支え合いながら研究し、ダンスサークルの仲間とも学部・学科を超えて大学祭に向けて力を合わせたり、充実した4年間を過ごせました。麻布大学での生活は勉強にサークルに忙しい毎日でしたが、大変というよりも楽しくてあっという間。入学前に想像していたよりも幅広い勉強ができて、穏やかな環境で多くの人と交流し、学問的にも人間的にも成長できる環境でした。
 現在は、当初から志望していた、公共の水処理施設や民間企業の水処理や超純水供給にかかわる会社に勤めて、水を通じて社会に役立てるように頑張っています。社内の人やお客様とかかわり合いながら、水という私たちの生活に欠かせないものに貢献する仕事ができて充実しています。

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キャリア支援課

e_toyoshima03.jpg 志望企業ははっきりしていましたが、就職活動では不安なことも多くて、エントリーシート添削や面接対策で大変お世話になりました。一人ひとりの状況や気持ちをくみ取って具体的にアドバイスしてくれます。