麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

大学時代に得た知識をベースに
キャリアを積んでいく

総合環境衛生管理

アース環境サービス株式会社 勤務 福田 弥生

働く人たちの"環境"を整える立場に

福田さん画像私が勤める「アース環境サービス」は、「大塚製薬」や「アース製薬」などを擁する「大塚グループ」の一社です。グループとしてのメイン事業は、消費者向けに医薬品・食品・住宅環境関連製品を提供することですが、弊社は企業向けにサービスを提供しています。弊社の特色としては、食品・医薬品・化粧品・それにかかわる容器包材メーカーの工場など、多岐にわたる分野の衛生管理をサポートしている点です。具体的には、実際に企業様の工場に出向き、目視に限らずさまざまな診断機材を使って内部を点検し、問題箇所があれば指摘します。まるで人を診て処方箋を出すお医者さんのように、弊社スタッフも企業様の診断を行い、結果に基づいて"処方箋"を出し、改善を促しています。企業様が汚染のない安心・安全な製品を作れるよう、専門家としてノウハウを提供することも仕事のひとつです。

弊社の技術営業が企業様を診る"主治医"のような位置づけで、私の職種である「サービスアテンダント(以下SA)」は"看護師"のような存在です。外勤の多い技術営業に代わって報告書などの書類作成をするのがSAの主な業務ですが、現場診断や微生物のサンプリング業務を行うこともあります。

現在は、関東支店のSAを取りまとめる立場になり、マネジメントにも挑戦しています。各営業所の良いところは水平展開し、良くないところは改善するなど私なりの提案で職場改革できるようになり、今までとは違うやりがいも感じ始めています。

仕事のベースとなる部分は、大学で学んだ

福田さん画像私が麻布大学に入学した当時は「環境保健学部 健康環境科学科」という名称で、その名が示す通り「環境」「保健」「衛生」をキーワードに幅広く学びました。私個人の印象としては、狭く深く追究したというより、いろいろな知識を幅広く吸収できた学科でした。月並みな言葉ではありますが、どの授業もとても興味深く、楽しいものでした。

現在の業務に直接かかわるような知識は会社に入ってから学びましたが、基礎的な部分を大学在学中にしっかり学べたのは、非常に大きなアドバンテージだったと感じています。

例えば、今の仕事で微生物のサンプリングを行い、その結果を考察して改善提案書を作成するのですが、もし、何も予備知識がないまま入社し、微生物とは何かというところから勉強し始めていたとしたら、かなり苦労したことでしょう。微生物に関する基礎知識など、大学で学んだ内容は今の業界に通じており、すべてが無駄にはなりませんでした。

社会人になって苦労しないためのアドバイスなのですが、大学時代にはしっかりと学んでおくべきです。学生時代に基礎を固めておくと、社会人になってプラスαの知識を身につける時の吸収力が違います。また、大学の授業をただ漫然と「聞く」のと、興味を持って真剣に「聴く」のとでは、覚え方に大きな差が出るはずです。

学びたいことを学べる学部・学科選択

幼い頃から動物好きでしたので、獣医師を養成する麻布大学には昔から憧れがありました。高校生になり、大学受験を意識するようになってからは自分の興味などを考慮し、生物を核としつつも環境や保健など広い領域を学べるところが良いと考えました。臨床検査技師を養成する学科もありましたが、卒業後どこに就職できるかということよりも、学びたいことを学べる学部・学科が、当時の私にとっては重要でした。

高校生のみなさんにも、興味のある分野を学べる学科をお勧めします。人生100年時代といわれますが、先々まで続く長い人生のうち、好きなことをじっくりと学べるのは大学くらいでしょう。時間をかけて自己分析をした上で、興味が持てる学科をぜひ見つけてほしいと思います。

将来どんな仕事に就いたらよいかわからず、学部・学科を決めかねているという人でも、好きなことを学べば、その先には切り拓ける進路がきっとあるはずです。肩の力を抜き、知的好奇心の赴くまま、自分のハートに素直に従ってみてはいかがでしょうか。