麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

"人とつながる力"を生かし、 営業職に

食品製造

第一屋製パン株式会社 勤務 髙野 沙紀

未来の自分を探しに「食品生命科学科」へ

髙野さん画像食品について学びたいと考えていたため、麻布大学の食品生命科学科を志望しました。現在もそうですが学内にはさまざまな研究室があることから、将来の選択肢も幅広いだろうという期待もありました。私のほかにも、ただなんとなく「食品にかかわりたい」と思い、入学したという人は結構いました。

入学後に感じたのは、研究室だけではなく、カリキュラムにおいても食の安全・安心に関する学びが広範囲にわたっていたこと。入学時に先々の明確なビジョンが見えていなくても、麻布大学の食品生命科学科では自分のやりたいことや将来につながることが見つかると思います。

サークル活動や研究室で社会性を養う

髙野さん画像サークル活動が大学時代の一番の思い出です。ソフトボール同好会の部長を務め、メンバー全員が楽しく活動できるよう尽力しました。部長として100人近くいるメンバーをまとめるのはとても大変でしたが、リーダーシップの基本として、一人ひとりの意見を聞くことをまず大事にしました。

小学校低学年のころから継続して15年間チームスポーツをしてきたためか、鍛えられそうな環境に身を置きたがる傾向が私にはあります。研究室もしっかりと自分を磨き上げるところが良いと考え、「食品衛生学研究室」に所属。ここでは、微生物の研究に携わりました。微生物の取り扱いを通じ、今の仕事にも役立つようなスケジュール管理の方法や作業の段取りの仕方を身につけました。

例えば、ある菌を培養したとなると、その菌が生きている間にやらなければならない作業が必ず発生します。もし金曜日に菌の培養を始めるならば、土日も研究室に来なければなりません。研究は自分一人で行うものではなかったため、一緒に研究している人たちはもちろん、立ち会う先生の予定も考慮する必要があります。あらかじめ、研究にはどれぐらいの日数がかかるのか、日数の見込みが立てばいつから始めればよいのかなど、常に周囲と調整し、頭をひねりながらのスケジュール作成でした。

また、先生方とのかかわりを通して、社会人に必要な応対の仕方なども学ぶことができました。今の職場でのコミュニケーションは、研究室でのやりとりがベースになっているといっても、過言ではありません。

どの職種でも、人とのかかわりを大切に

現在の職場では、営業職に就いています。弊社の営業は大きくふたつに分かれており、直接お客様と商談を行う「営業部門」と、戦略立案やキャンペーンなどで営業をバックアップする「営業企画部門」があります。私は入社して1年間で両部門を経験しました。

最初に所属したのは営業部門で、「CVS(コンビニエンスストア)グループ」に属していました。週に数日はコンビニ各社の本部に伺い、商談します。社内業務では商談資料の作成や、各コンビニではそれぞれどういった味や商材が受け入れられるのかを考え、新商品の提案準備も行いました。

現在所属する営業企画部門では、営業事務的な仕事がメインです。各取引先からの請求書の処理や、決裁書・契約書の受付など、営業員と各部署の架け橋となるべく仕事に励んでいます。こうした業務は、私以外に担当者がいません。万一ミスや漏れが生じた際、自分で気づかなければ大きな問題になってしまう恐れもあるので、一つひとつ丁寧に作業を進めています。

食品生命科学科を卒業した人たちは主に、生産職、営業職、研究職の3分野で活躍しています。同期の仲間たちは研究職が多い印象を受けますが、私は数々のチームスポーツで培ったコミュニケーション力を生かすため、営業職に就きました。食品生命科学科を入り口に、その後の出口は幅広いです。

食品業界をめざす人たちにも、人とのかかわりは大事にしてもらいたいです。営業職は人とつながる機会が多いですが、生産職や研究職も通常は誰かと仕事をします。うまく人と接することができれば、必ずいい仕事ができると私は考えています。