麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

的確な検査と判断力で 輸血の安全性の向上に寄与

認定輸血検査技師
秦野赤十字病院検査部 検体検査課 主任 田代 優也

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研究室で細菌に関するテクニックを磨いた

 大学時代は「微生物学研究室」に入室し、卒業論文ではヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)について研究しました。そのころ身につけた顕微鏡の見方や、検体から菌が確実に見えるよう培養する方法、菌の一つひとつをきれいに分離する方法など、さまざまなテクニックが現在ローテション業務として携わる細菌検査に生かされていると感じます。
 現在はほかにも輸血検査や尿一般検査など、検体検査に従事。微生物の研究に取り組んできたため、当初は細菌検査を専門的にやりたいと思っていました。しかし、臨床検査技師の業界団体の研修会がきっかけで輸血検査の奥深さを知り、認定輸血検査技師の資格を得るまでに至りました。

安心・安全な輸血医療をめざして

 仕事のやりがいを感じるのは、自主的に勉強してきたことやこれまでの経験が臨床に生かせたとき、医師からの要望に応えられたときです。具体例が「交差適合試験」です。この検査は輸血予定の血液製剤と患者さんの相性を調べるため、輸血の直前に行われます。異常が認められた際は、臨床的に問題ないかどうかを判断しなければならないケースがあります。限られた検体で的確に検査し、患者さんの特性や病気の影響を踏まえた所見を医師に伝えることで、最適な治療につなげています。

生涯勉強し続けられる、とても魅力的な仕事

 これからもさらに勉強を重ね、臨床に貢献したいと考えています。臨床検査技師になると勉強せざるを得ないことが多いですが、この仕事を選ぶような人は元々真面目で、学び好きだと思います。そのような方々が勉強する機会は豊富にありますし、業務で困ったことがあれば、身近には教えてくれる先輩方もいます。
 臨床検査技師は、生涯勉強し続けられる、とても魅力的な職種です。今後もさまざまな現場で、麻布大学の後輩たちの活躍ぶりを見聞きすることを、とても楽しみにしています。

学びのツール

med202001_14.pngゲルインクのボールペンと二つ折りにしたA4のコピー用紙を用い、たくさん書いて覚えるのが私の勉強方法でした。この手法で国家試験はもちろん、認定輸血検査技師にも合格!