麻布大学

卒業生メッセージ(ウェブ版)

動物の意思を 尊重して行動する 思いやりの心を育みたい

動物飼育専門員
小泉 まなか
地方独立行政法人 天王寺動物園
2019年度卒業/東京都立雪谷高等学校出身

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夢だった飼育員として 奮闘する毎日

 麻布大学を卒業後、上野動物園、ズーラシアで経験を積み、現在は大阪の天王寺動物園で動物飼育専門員として働いています。
 2022年からは、新たにオープンした「ふれんどしっぷガーデン」で、テンジクネズミやヒツジ、ヤギ、馬などの飼育と、イベントの際の来園者の皆さんへの解説などを担当しています。

動物を敬い 思いやる心を育みたい

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 ふれんどしっぷガーデンは「動物にふれる場ではなく、動物への思いやりにふれる場」をコンセプトに、動物を間近で観察できる施設です。動物を敬い、思いやる心を育んでいただきたいという想いから、動物に触るイメージが強い「ふれあい」という言葉ではなく「ふれんどしっぷ」という名をつけています。
 私たち飼育員が大切にしているのは、どんなときも動物の意思を尊重すること。例えば、動物の体重を測る際、動物を捕まえて体重計に乗せることはいくらでもできますが、私たちは「動物にさせる」のではなく「動物がしてくれてる」という視点を大切に、日頃の飼育にあたっています。解説を担当するイベントでは、おやつを入れた穴の開いた容器を用いて、容器を転がしたり、つついたり、さまざまな動きを引き出して、その様子を間近で観察していただいています。
 こうした動物ファーストな展示を通じて、一人でも多くの方に動物の意思を尊重して行動する、思いやりの心を育んでいければ、と思っています。

学生時代の自分が 未来の自分を助けてくれる

 学生時代を振り返ると、当時学んださまざまなことを現在の仕事に生かせています。それ以上に実感するのは、当時の出会いがいまを支えてくれているということ。人生において大学での4年間ほど自分のために時間を使える期間はありません。だからこそ、研究会やシンポジウムなど、いろいろなところに積極的に参加し、多くの人とコミュニケーションを図り、つながりをつくってください。私がそうだったように、そうした過去の行動が未来の自分をきっと助けてくれるはずです。