麻布大学

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プレスリリース:「オスらしさを高めるフェロモンをマウスで発見」-フェロモンに新しい概念-

オスマウス涙液中の性フェロモンは自分にも作用して攻撃性を高める

オスマウスの涙には、ESP1というフェロモンが含まれることが知られています。外に分泌されたESP1は、メスの鼻の下部にある鋤鼻器官を刺激して、メスの性行動を促進させます(Haga et al. Nature 2010)。しかし、他のオスに対してどのような作用があるかは不明でした。本研究では、ESP1が、尿の存在下、オスに攻撃を促す効果があることを見いだしました。さらに、オスは、性成熟とともに分泌が増加するESP1が自分自身にも作用することによって、自身が持つ攻撃性がさらに高まることがわかりました。本研究の成果は、性フェロモンが異性に作用するだけでなく、同性の他個体や、さらには分泌する自分自身にも作用するという、フェロモンの新しい概念を提供する発見です。
本研究は、麻布大学、東京大学、JSTなどによる共同研究で、この研究成果は、著名な学術誌「Current Biology」に発表されます。