麻布大学

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麻布大学 『知的資産の"今"』をお伝えするニュースリリース 2016年12月号

1】平成28年度 文部科学省『私立大学研究ブランディング事業』の支援対象校に選定されました


【事業名】

動物共生科学の創生による,ヒト健康社会の実現

【申請タイプ】

タイプB(世界展開型)


【私立大学研究ブランディング事業について】

文部科学省によるこの事業は,学長のリーダーシップの下,優先課題として全学的な独自色を大きく打ち出す研究に取り組む私立大学・私立短期大学に対し,経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援する目的として,平成28年度から開始された事業です。


【事業概要】

本事業は,『ヒトと動物の共生システム』を科学的に解明し,その成り立ちを介してヒトの健康社会の実現に貢献することを目的としています。イヌを代表とする動物との親密な社会的かかわり,すなわち共生がなぜ成り立つのか,そして共生による動物由来の微生物叢がヒトの健康の推進にどれほど影響するのか,これらの動物との共生のメカニズムを分子生物学的に明らかにし,新たな動物との共生科学の概念の構築とヒト社会への貢献を目指していきます。

文部科学省 当該Webサイト


【2】<新発見ハイライト>(本学専任教員(共)著者,掲載誌)


『旧世界ザルであるニホンザルの胸部皮下組織に発生した肥満細胞腫の症例報告。サル類における腫瘍発生率は非常に低く、その中でも本腫瘍は非常に稀な腫瘍で、比較医学的に貴重な症例である』
(津郷、宇根他、Primates, pp. 1-5.)
責任著者:宇根


『EGFRプロモーター制御下でイヌカスパーゼ3を発現するアデノウイルスベクターを我々は構築した。このアデノウイルスベクターはイヌ正常細胞には細胞死を誘導せず、イヌの乳癌細胞特異的に細胞死を誘導した。さらにHIF-1α のODDドメインをイヌカスパーゼ3に付加した融合タンパクをEGFRプロモーター制御下で発現するアデノウイルスベクターも構築した。このアデノウイルスベクターは低酸素環境下でのイヌ乳癌細胞死を有意に促進した。』
(岡本、池田他、Veterinary Research Communications, pp. 1-9.)
責任著者:岡本


『牛白血病ウイルスの弱毒野外株の発見』
(村上、塚本他、Journal of General Virology, 97巻)
責任著者:村上


『ホルスタイン種乳牛が明瞭な発情兆候を示した場合には、卵巣に正常な卵胞に直径が25mm以上の嚢腫卵胞が共存しも、正常卵胞は排卵し受胎することを示した。』
(金子、 Asian Pacific Journal of Reproduction, 5巻)
責任著者:金子


『秋田犬の赤血球膜には、通常の犬赤血球には存在しないGLUT1輸送体が存在することが判明した。中でも高K濃度の赤血球では、より優れたビタミンC再生能を示した。』
(小川、根尾、 Journal of Veterinary Medical Science, 78巻)
責任著者:小川


『オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼは肝特異性の高い酵素であるが、周産期の乳牛においては脂肪肝の評価に用いるには注意が必要だ。』
(恩田、佐藤他、 American Journal of Animal and Veterinary Sciences, 11巻)
責任著者:恩田


『鶏胚下垂体におけるVIPのPRL遺伝子発現への効果を検討し、14日胚では反応が見られないが20日胚では反応を示すことから細胞分化とVIP受容体の発現が関連している可能性が示唆された。』
(神作、戸張他、 Journal of Poultry Science, 53巻)
責任著者:神作


『LPS活性化単球系細胞は、肝がん細胞との共培養後に認められる炎症性サイトカインの遺伝子発現量の増加を抑制する作用があることが確認された。』
(本田他、 Anticancer Research, 36巻)
責任著者:本田


【3】発明リスト(本学発明者)


『エルシニア症ワクチン』(宇根)


『ヘリピロンAの男性性機能改善作用』(折戸)


本学では,産学官連携を積極的に推進しています。
『共同研究』・『受託研究』・『学術指導』,『特許技術のライセンス』 等も随時,受け付けています。

お問い合わせ先

麻布大学 学術支援課 根本 拓也、渡邉 航大