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プレスリリース:「イヌはヒトに共感する能力を有している ヒトの情動変化に応じたイヌの情動変化が観察された」

本学 菊水 健史 教授と奈良先端科学技術大学院大学・熊本大学大学院・名古屋大学大学院の研究チームは、ヒトとイヌの情動の変化を、心拍変動解析を用いて計測し、飼い主とイヌとの間で、同調した心拍変動が認められることを確認しました。飼育期間が長くなることで、この同調率が上昇し、またメスのほうがオスよりも同調しました。これらの結果により、情動の伝染の進化要因として、遺伝的なものよりも生活空間の共有が重要であるという理論に一致した結果が得られました。

今回、ヒトとイヌという異種間(遺伝的には関係のない個体間)において、飼育期間が長いことつまり生活環境の共有が長いことによって情動伝染が起こりやすいことが示され、進化理論に合致した結果となりました。
ヒトとイヌの共生の歴史において、情動伝染の存在は、相互理解や協力関係の構築において重要であると思われます。今回の結果から、ヒトとイヌの長くそして深い関係性の一端が明らかになりました。

この成果は2019年7月19日(中央ヨーロッパ標準時)に[Frontiers in Psychology]に掲載されました。

プレスリリース:「イヌはヒトに共感する能力を有している」(PDF:1.01MB)
教授 菊水 健史