麻布大学

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プレスリリース:麻布大学、飼育時のストレスに配慮した新牛舎を起工 〜2022年9月末の使用開始を目指して牛に優しい環境を整備〜

麻布大学新牛舎の建築工事起工麻布大学は、2022年2月に動物衛生管理区域内に新たに新牛舎(仮称)の建築工事を起工しました。当施設は、本学学生の実習での利用を目的とし、最新のアニマルウェルフェア(動物福祉)に対応し、牛が自由に動くことが出来る「フリーバーン」区画など牛に優しい環境を備えた施設として本年9月末の使用開始を目指します。

獣医系大学として、国内で二番目に長い歴史のある本学は、これまでも産業動物の実習において、牛や馬のレプリカを利活用する等、動物への負担を減らす教育・研究を実施してきました。この度、新牛舎の着工に当たって、飼育時のストレスを配慮し、アニマルウェルフェアに対応した快適な環境を整備します。

新牛舎におけるアニマルウェルフェアの具体的な特長は、次のとおりです。

  • 繋ぎ飼いではなくフリーでの飼育
  • 牛1頭当たりの床面積推奨値を確保して、ゆったりとしたスペースでの飼育
  • 夏の高温対策として大型扇風機とミストの導入により、牛舎内の室温を2℃~6℃低減
  • 搾乳システムの導入(実習期間に併せて1~2頭の搾乳を行う。)
  • WiFiを導入し、リモートでの牛の飼育状況を監視可能へ

●物件概要

麻布大学新牛舎図面

  1. 建物図面 画像②参照
  2. 建物構造 鉄骨造 平屋建
  3. 延床面積 413.10㎡
  4. 諸室概要
    成牛パドック(フリーバーン4区画,最大12頭)
    子牛・育成用パドック1区画(最大4頭)
    子牛用繋留場1区画(最大1頭)
    飼料倉庫
    チップ置場
    搾乳機械室
    倉庫

<参考情報>

●アニマルウェルフェアについて
感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方です。欧州発の考え方で、日本では「動物福祉」や「家畜福祉」と訳されてきました。
1960年代のイギリスでは、工業的な畜産のあり方を批判した、ルース・ハリソン氏の『アニマル・マシーン』が出版され、大きな関心を呼びました。イギリス政府が立ち上げた委員会は、「すべての家畜に、立つ、寝る、向きを変える、身繕いする、手足を伸ばす自由を」という基準を提唱します。こうした動きを受け、家畜の劣悪な飼育環境を改善させ、ウェルフェア(満たされて生きる状態)を確立するために、次の「5つの自由」が定められました。

  1. 空腹と渇きからの自由
  2. 不快からの自由
  3. 痛みや傷、病気からの自由
  4. 正常な行動を発現する自由
  5. 恐怖や苦悩からの自由

今では、「5つの自由」は家畜のみならず、人間の飼育下にあるペットや実験動物など、あらゆる動物のウェルフェアの基本として世界中で認められています。
(一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会の公式HP引用:http://animalwelfare.jp/

<お問い合わせ先>

・担当:麻布大学 広報課 担当:有嶋、檜垣
・電話:042-769-2032
・メール:koho(a)azabu-u.ac.jp ※(a)を@に変更してください。