
プレスリリース:ヒトも動物も健〝口〟な社会へ。麻布大学が動物園・水族館動物の歯周病菌調査を開始 "歯周病"からヒトと動物の共生を考える「418(良い歯)プロジェクト」始動、READYFORでクラウドファンディングに挑戦中
READYFOR(レディーフォー)
ヒトも動物も、健口な社会へ。
歯周病からヒトと動物の共生を考える、418(良い歯)プロジェクト
ヒトも動物も健"口"な社会へ。動物園・水族館動物の歯周病菌を調査!
2023年1月27日(金)まで
麻布大学生命・環境科学部 食品生命科学科の島津 徳人准教授(食品生理学研究室)を代表とする研究グループは12月5日からクラウドファンディングを開始しました。これは、動物園・水族館動物の歯周病菌調査の資金調達を目的としたものです。島津准教授らは、ヒトと動物がお互い与える影響を「口の健康」から調査することにより、ヒトと動物の共生のあり方を捉え直し、ヒトと動物が培ってきた本来の豊かな生活を目指しています。クラウドファンディングは2023年1月27日(金)まで、「READYFOR」にて実施中です。
プロジェクト立ち上げのきっかけ
島津准教授は麻布大学獣医学部を卒業後、日本歯科大学で口腔疾患に関する研究を行ってきました。現在は麻布大学生命・環境科学部食品生命科学科でフィトケミカルの口腔疾患予防効果を研究する傍ら、麻布大学いのちの博物館館長や日本歯科大学 生命歯学部 病理学講座の客員教授も兼務しています。
島津准教授がある日、博物館内に展示されているさまざまな動物の骨格標本を見ていると、歯周病を発症した痕跡のある標本がたくさんあることに気づきました。歯周病は感染症であるため、島津准教授は「歯周病菌はどこから来たのだろう」と疑問に思いました。
このことをきっかけに、多くの動物園・水族館施設の飼育動物で調査を実施する「418(良い歯)プロジェクト」がスタートしました。
野生動物には歯周病は見られない?―調査に向けてクラウドファンディングに挑戦
高齢化が進むヒトの社会では、歯の健康状態と健康寿命の関連が注目されています。動物園で飼育されている動物も同様で、多くの動物で口腔疾患の増加が問題となっています。ペットとして飼育されているイヌやネコも、高頻度に歯周病を患うことが分かっています。
一方で、自然界に棲息する野生動物には、歯周病はほとんど見られないと認識されています。
つまり、自然界に棲息する野生動物たちが、動物園や水族館で飼育されるようになり、ヒトと動物の''距離''が近づくことにより歯周病が発症してしまう可能性が考えられます。
この仮説を検証するために、ある飼育施設で飼育されているアシカと飼育員を対象として歯周病菌の検査を行いました。
結果、すべてのアシカから高病原性と低病原性の歯周病菌が検出。さらに注目される所見として、アシカでの歯周病菌の感染パターンが、飼育員の歯周病細菌感染パターンに類似することがわかりました。
この結果から、アシカと飼育員との間で交差感染、すなわち''人獣共通感染症''が生じている可能性がでてきました。
ヒトが動物に与えている影響、あるいは動物がヒトに与える影響を明らかにするため、島津准教授はさらに多くの動物たちの「口の健康」を調査したいと考えましたが、それには多くの動物園、水族館などの施設と連携した調査・研究が必要です。
そこで、そのための予算確保に向けてクラウドファンディングを利用することにしました。集まった資金は、菌叢解析の費用や歯周病検査機器の整備にあてる予定です。
<関連情報>
プレスリリース:麻布大学、よみうりランドの協力により、アシカの歯周病を研究(2021.11.11)
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