麻布大学

大学概要ABOUT

入学式における学長告辞

令和7年度入学式における学長告辞

新入生の皆さん、ご家族の皆様、そして教職員の皆様、本日ここに集い、新年度の入学式を迎えられましたことを、心よりお慶び申し上げます。
新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。本学の新たな一員として皆さんをお迎えできることは、教職員一同にとって大きな喜びです。また、これまで皆さんを支え、励まし、今日の日を迎えるまで尽力されたご家族の皆様にも、心から敬意と感謝を申し上げます。

135年前、東京市麻布区に東京獣医講習所として誕生した本学は、今や「人と動物と環境の共生」を考える大学へと成長しました。本学は、戦後の混乱期にこの相模原の地で1950年に麻布獣医科大学として再出発し、「獣医の麻布」として常に時代の先端を走り続けてきました。この間に動物医療の専門性だけでなく、畜産学、動物応用科学、公衆衛生学、環境科学などにも視野を広げ、その決意表明として1980年に麻布大学に改称しました。「学理討究と誠実なる実践」を建学の精神とし、社会に貢献できる人材育成に努めてきた本学は現在、「地球共生系〜人と動物と環境の共生を目指して〜」という教育理念のもと、2学部6学科と2つの研究科を擁する大学として発展しています。動物や生命科学分野で高い専門性を誇る大学です。皆さんも本日からこの伝統ある大学の一員となります。これから始まる新しい学びを通じて、大きく成長されることを期待しています。

さて、新入生の皆さんにお尋ねします。皆さんが大学へ進学した理由は何でしょうか。
長年にわたり本学の発展に多大なる貢献をされた故・越智勇一学長は、「大学は問題をもっている学生がその問題を解くために来るところで、そこにはその問題をとくための施設を整え、その問題を解くために人生をかけている教師のいるところである」と語られました。大学は単なる知識や技術を習得する場ではありません。ここでは学問のおもしろさを知り、深い研究へのヒントを得て、それを突き詰めるための方法を学びます。本学は動物や生命科学について深く学びたいという意欲を持つ皆さんが、その興味や関心を存分に追求できる場所です。この学生生活という貴重な時間に、多くの挑戦をし、自分自身の可能性を広げてください。失敗を恐れず挑戦することで得られる達成感は、何ものにも代えがたい経験となるでしょう。
また、大学は多様な価値観や人々との交流を通じて、自分自身の可能性を広げる場でもあります。友人や先輩、教職員との交流は貴重な財産です。中高時代、この数年間コロナ禍という困難な状況下で過ごされた皆さんは、多くの活動が制限されてきたことと思います。入学初期のイベントやサークル活動などを通じて積極的に人間関係を築きましょう。このネットワークは大学生活だけでなく、その後の人生にも大きな影響を与えます。
大学では、やりたかった研究や学問に没頭する、多様な人間関係を構築するということが、これからの長く有意義な人生を送る上で大切な経験となります。

もちろん、不安もあるかもしれませんが、安心してください。本学には皆さんの学びや研究、そして学生生活全般を支援するための多くの充実した施設・設備があり、そして皆さんを全力でサポートする教職員がいます。「教員と学生との距離が近い」という本学ならではの環境では、教員が丁寧に知識や技術を教えるだけでなく、一緒に悩み考え、ともに成功や喜びを分かち合うような人間的なつながりがあります。さらに、本学には多くの卒業生がいて、その同窓ネットワークは皆さんにとって心強い存在となるでしょう。また、本学には「クレド」と呼ばれる行動規範があります。その中には、「学生に寄り添い卒業後も見据えた成長支援」「学生との対話を重視した丁寧な対応」「高い倫理観と誠実さ」が掲げられています。このクレドに基づき、教職員一同は皆さんとの対話や協働を楽しみにしています。このような環境で、共に学び合い、成長する充実した大学生活を送りましょう。

ところで、皆さんの本学での夢は何でしょうか。
私の夢は、本学を「動物・生命科学を基軸としたすばらしい学びの場と知の創出の拠点とし」、「動物・生命科学分野での牽引者となって、国内トップ、アジアトップとする」ことです。それが皆さんの成長や社会での活躍にもつながると信じて、叶えるつもりです。
皆さんの夢をぜひ私にも教えてください。これから本学で仲間たちと夢を語り合い、認め合い、信頼関係を築きながら、その夢の実現に向けて突き進んでください。

最後になりますが、先行き不透明な現代社会において、自ら考え行動し、答えのない問いに向き合う力が求められています。本学での日々がその力を身につける場となることを心から願っています。大学生活では多くの仲間たちと語らい合いながら、明るく元気に楽しく過ごしてください。皆さん一人ひとりが充実した学生生活を送り、自立して社会へ貢献できる人材へと大きく成長されることを心より祈念しまして、私からの式辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。

令和7年4月6日
麻布大学長
村上 賢