麻布大学

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卒業式における学長式辞

令和6年度卒業式における学長告辞

 本日、令和6年度、麻布大学獣医学部、生命・環境科学部、大学院獣医学研究科そして大学院環境保健学研究科の学位記授与式を挙行できますことは誠に喜ばしく心からお祝い申し上げます。本日、学位記を授与された皆さん、本当におめでとうございます。皆さんは入学後、コロナ禍の中で学習環境に制約を受けながら過ごしてきたことと思います。このような不安な日々を乗り越え、無事に今日の日を迎えられたことを、学長として大変嬉しく思います。皆さんには、ご支援くださったご家族をはじめ、多くのお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れないで欲しいと思います。

 ご父母の皆様、ご子息、ご息女のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。本日はご父母の皆さまにもご出席いただき、卒業式を挙行できることを大変嬉しく思います。お子様方の在学中は、本学へのご理解とご協力を賜りまして、誠に有り難うございました。教職員を代表して心より御礼を申し上げます。

 さて、皆さんはこれからそれぞれの道にお進みになり、新たな環境での生活が始まります。社会では、様々な分野で解決すべき課題が山積しており、非常に厳しい環境に身を投じることになります。我が国では少子高齢化による労働力の減少や地球温暖化による異常気象、海外に目を向けると「平和な社会」を根底から揺るがす深刻な事態が世界各地で報道され、激変する社会に不安を感じている方もいるかも知れません。皆さんには、社会の要請をしっかりと受け止め、真正面から挑戦し、社会に必要とされる人物になって欲しいと願っています。社会に出ると、予期せぬ出来事をたくさん経験することでしょう。どんな状況であれ、ポジティブな気持ちを忘れず、自分に自信を持って頑張ってください。もう20年以上前の話ですが、私は2000年から2002年までアメリカのワシントン州シアトルに留学をしておりました。研究の合間に私も何度か試合を見に行きましたが、ちょうど日米の野球殿堂入りを果たしたイチロー選手がシアトルマリナーズに移籍した時期です。留学中は驚きや感動の2年間でした。世界各地から来ている留学生と交流をすることができ、人生を左右する大きな出会いも数多くありました。これからは海外との交流が一層必要になってくると思います。どうぞ皆さんも国内に留まらず海外にも目を向けて活躍の場を求めてください。

 本学は今年度、大学基準協会による「認証評価」を受審しました。「認証評価」とは、大学の教育・研究・運営が適切に行われているかを確認し、質を保証することを目的とした評価制度であります。これは、学校教育法第109条第2項に基づき、すべての大学が7年に1度、文部科学大臣が認証する評価機関による評価を受けることが義務付けられているものであります。本学はこの認証評価において、とても良い評価を受けることができました。麻布大学はしっかりと社会の要請に応えながら教育・研究・運営ができています。どうぞ安心して卒業していただき、後輩たちのこれからの活躍を支援してあげてください。 18歳人口が減り続けている中、麻布大学が引き続き社会からの要請に対応し時代に合った姿に進化していけるように私たち教職員も頑張っていこうと思います。

 社会ではこれまで本学を巣立った数多くの同窓生が活躍しています。私は37年間と長く大学に勤務しましたので、私の研究室だけでも500人近い卒業生を送り出してきました。皆それぞれの分野で活躍してくれています。同窓生の活躍は本学のかけがえのない誇りです。また同窓生はきっと皆さんを支援してくれることは間違いありません。これから人生を左右する大きな出会いが数多くあると思います。皆さんには、これから多くの人と喜びや悲しみを分かち合いながら素晴らしい人間に成長して欲しいと願っています。 最後に新しい旅立ちをされる卒業生の皆さんに、改めて心からお祝いを申し上げるとともに、今後のご活躍と末永いご多幸を祈念して、私からの式辞といたします。

令和7年3月15日
麻布大学長
川上 泰