麻布大学

大学概要ABOUT

卒業式における学長式辞

令和7年度卒業式における学長告辞

本日ここに、令和七年度 麻布大学 卒業証書・学位記授与式 並びに 大学院学位記授与式が、こうして盛大に挙行されますことを、心よりお祝い申し上げます。
卒業生・修了生の皆さん、ご卒業・修了、誠におめでとうございます。

また、皆さんを今日まで支えてこられたご家族の皆さま、そして日々の学びを共に支えてくださった先生方、職員の皆さまにも、心より感謝と敬意を表します。

麻布大学は1890年の創設以来、「学理の討究と誠実なる実践」を建学の精神として継承し、さらに「地球共生系」を教育理念に掲げ、人と動物、そして環境が共に生きる社会の実現をめざして歩んでまいりました。
皆さんはその理念のもとで、動物・生命科学を専門とする人材として学び、この麻布大学という共同体のかけがえのない一員として成長してこられました。

ここで皆さんにお尋ねします。本学で学んで良かったと思えますか。成長できたと実感していますか。満足できましたか。楽しい時間でしたか。
そのすべてに「はい」と答えられるなら、これ以上の喜びはありません。もしどれか一つでも「はい」と言えるなら、それこそが皆さんの努力の証です。

現在の大学教育では、「何を教えたか」ではなく、「学生が何を身につけたか」、そして「それをどのように評価しているか」が問われています。いわゆる学修者本位の教育、学びの成果を自ら実感できる教育です。
本学でもその考えに方に基づき、明確な到達目標であるディプロマポリシーを持ち、教育課程のカリキュラムポリシーを設け、そして皆さんの成長を可視化する仕組み(〜学年進行に伴いディプロマポリシーの達成度を学生にフィードバックする仕組みや、サイエンスリテラシーおよびコンピテンシーテストといった成長度を測る独自のアセスメント〜)を整えてきました。

在学中を振り返れば、「麻布出る杭プログラム」に挑戦し、早い段階から課題探究に取り組んだ皆さんもいました。また、卒業論文や修士・博士論文のための研究室活動で、粘り強く実験や調査を重ねた姿は教員一同の記憶に残る、誇らしいものでした。そうした日々の努力の積み重ねこそが、皆さんの専門性と人間的な成長を支えてきたと確信しています。

皆さんが今日この場に立つのは、所定の単位を修得したという形式的条件を満たしただけでなく、大学で培った力を確かに身につけたからです。動物や生命科学の専門的知識にとどまらず、思考力、判断力、表現力を深く磨き、自立して自らの進路を切り開く力を備えているということです。ぜひ、そのことに誇りと自信を持ち、社会で大いに羽ばたいて、存分に活躍してください。

皆さんがこれから進む社会は、答えのない、不確実で不透明な変化の激しい世界です。求められるのは、物事の奥にある本質的な課題を見出す力と、その解決に向けて他者と協働しながら取り組む力です。麻布で気づき、学び、考え抜いた経験をそのまま活かしていってください。

進化論を築いたダーウィンは、「生き残るのは、最も強い者でも、最も賢い者でもない。変化に適応できる者である」と説きました。
変化が激しい今の時代こそ、環境の変化を正しく捉え、柔軟に変化していく力、新しい自分を生み出していく力が大切です。
皆さんには、麻布大学で育まれた『変化にしなやかに対応する力』をもって、新しい価値を創り出し、未来を切り拓いていってほしいと願っています。

本学での教育の真の成果は、皆さんが社会で活躍して初めて明らかになります。
「着眼大局、着手小局」の精神で、大きな志を胸に抱きつつ、一歩一歩を着実に積み重ねてください。
社会経験を重ねる中で、また新しい学びの必要性を感じたときは、いつでも母校・麻布大学、そして大学院に戻ってきてください。
麻布大学はこれからも、皆さんが学び直し、次の挑戦に向かう拠点であり続けます。

最後に、上杉鷹山公の言葉に、「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」とあります。
どうか、失敗を恐れず、諦めずに挑戦を続けてください。挑戦する心を持ち続け、努力を積み重ねる限り、道は必ず開けます。
皆さんの可能性は、いつでも、どこからでも、大きく広がっていきます。

皆さんの新しい門出と、その輝かしい未来に心からの期待を込めて、式辞といたします。
本日は誠におめでとうございます。

令和8年3月7日
麻布大学長
村上 賢