卒業生メッセージ(ウェブ版)
友人の一言が拓(ひら)いた獣医師という未来
長坂 佳世
D&C Physical Therapy 院長
1998年度卒業
三輪田学園高等学校出身
正直に言うと、私が獣医師になったのは、確固たる意志があったからではないのです。子どものころには動物が怖いと感じたことさえあるほどで、高校時代は実家の電器店を継ぐことも考えていました。転機は、麻布大学の推薦入試を受験する友人が放った「受けてみれば?」の一言。「私も受けてみようかな」と興味が湧いたのです。このセレンディピティ※が、私の人生を変えました。麻布大学では外科学第二研究室に所属し、「ほぼ大学にいた」と記憶するほど研究活動が中心でした。卒業研究では「犬の腎臓移植」という、技術だけでなく生命倫理とも向き合う重いテーマに挑みました。当時から麻布大学には「まずはやってみることが大事」という校風があり、数々の私の挑戦を後押ししてくれました。意図していなかった道ですが、この大学での学びが、今の私の原点となっています。
※「思いがけない発見や偶然がもたらす幸運」という意味。セレンディピティの代表例に、万有引力の法則やペニシリンの発見がある。
自身の痛みが教えた動物リハの道
大学卒業後は臨床獣医師としてキャリアをスタートさせましたが、日々の診療で腰を痛めてしまいました。その治療で鍼を体験したことをきっかけに東洋医学の一種である中獣医学を学び始め、動物にもリハビリテーション(リハ)が必要なのではと思い付きました。この発見は、言葉で痛みを訴えられない動物たちへの共感から生まれたものでした。私はすぐ行動に移し、渡米して鍼治療やマッサージの資格を取得。さらにリハの認定資格も取り、2013年、日本初となる犬と猫のリハ専門病院を開院しました。めざしたのは「飼い主様と気軽にコミュニケーションが取れるクリニック」。ペットのご家族の心にも寄り添うことが、私が見つけた自分らしい働き方なのだと思っています。








