麻布大学

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臨床診断学研究室研究生の松本直也先生が日本野生動物医学会論文賞を受賞しました

麻布大学研究チームが日本野生動物医学会論文賞受賞麻布大学,帯広畜産大学,登別マリンパークニクスの共同研究チームによる発表論文「一水族館における飼育環境中のAspergillus fumigatus検出およびペンギンのアスペルギルス症根絶を導いた予防対策(松本直也,伊藤めぐみ,山田一孝,豊留孝仁.日本野生動物医学会誌25, 101-107, 2020)」が日本野生動物医学会論文賞を受賞しました。
鳥類はカビの一種アスペルギルス症にかかりやすく,特にペンギンはアスペルギルス症に感受性が高いことが知られています。日本のみならず,世界中の動物園や水族館でアスペルギルス症によるペンギンの死亡例が確認されており,現在でも問題となっています。
臨床診断学研究室の山田教授は,2016年から帯広畜産大学,登別マリンパークニクスと共同研究を開始し,早期発見と予防の両面からアスペルギルス症対策の取り組みを進めてきました。この一連の研究において,飼育環境下におけるアスペルギルス汚染源の推定の重要性,屋内および屋外環境における感染予防対策の重要性を示し,登別マリンパークニクスでこの予防対策実施によるアスペルギルス症根絶を導いた結果を報告しました。
現在も,ペンギンのアスペルギルス症に関する共同研究が進行中です.動物園や水族館のペンギンをアスペルギルス症から守る成果につなげていきたいと考えています。

教授 山田 一孝