【論文】麻酔で命の危機!? 再発を防いだ安全な方法とは
主な研究者:
獣医学部 教授 高木 哲
この報告は、「悪性高熱症(MH)」という、麻酔中に体温が急上昇する危険な体質を持つ犬に、安全に手術を行った事例です。この病気は特定の麻酔薬で引き起こされ、命に関わることがあります。
対象はトイプードルで、過去に麻酔中に体温が42℃まで上がる重い症状を経験していました。今回は舌のしこりを調べるために手術が必要でしたが、再発を防ぐために「吸入麻酔」を使わず、プロポフォールという薬を点滴で投与する方法(TIVA)が選ばれました。また、麻酔回路中に残ったわずかな吸入麻酔も再発のきっかけとなる可能性があるため、吸入麻酔を一切使用しないタイプの人工呼吸器を用いて呼吸を管理しました。
その結果、手術中の体温や呼吸の状態は安定しており、悪性高熱症を疑うような危険な症状は起こりませんでした。回復もスムーズで、大きな問題は見られませんでした。遺伝子検査では、人でもMHの原因になる変異が見つかりました。
このケースから、原因となる麻酔薬を完全に避けることが重要であり、TIVAと吸入麻酔を使用しない人工呼吸器の組み合わせは安全な選択肢になることが示されました。遺伝的にリスクのある動物の安全な麻酔管理に役立つ重要な報告です。
論文タイトル:
Use of total intravenous anesthesia with propofol and a vaporizer-free ventilator to prevent recurrence of malignant hyperthermia in a dog
論文掲載URL:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1467298726000334?via%3Dihub
DOI:
https://doi.org/10.1016/j.vaa.2026.101219








