2025.12.10NEW在学生・保護者
麻布大学生命・環境科学部 衛生学研究室では、本学と相模原市獣医師会との包括協定に基づき重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)のモニタリングを2025年の6月より開始しました。
本モニタリング事業は、相模原市民の健康と安全を守るため、市内におけるSFTSVの分布状況と感染リスクを科学的に把握することを目的として実施されます。
SFTSVは、わが国で2013年に最初の患者が報告されたマダニが媒介する感染症の原因となるウイルスで、SFTSVに感染すると発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う重症熱性血小板減少症候群を発症することがあります。さらに、致命率は約10~30%に及びます。家庭で飼育している犬や猫などから人へ感染することがあるため、犬や猫がSFTSVに感染しているかどうかを調べることが重要です。特に、SFTSVは動物が無症状のまま感染しているケースも多く、人への感染リスクを正しく評価するためには、現場からの科学的データの蓄積が不可欠です。
調査方法としましては、地域の動物病院で発見されたマダニ付着例に対し、マダニおよび動物から採取した血液検体を収集し、ウイルス遺伝子検出および抗体検査を行います。この活動により現時点でのウイルス流行状況を明らかにし、感染リスクの可視化と、それに基づく公衆衛生対策の強化を図ります。
皆様のご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

<関連情報>
相模原市獣医師会:SFTSモニタリング事業を開始