
生物季節観測に関する国立環境研究所との共同研究の第2回活動報告会で環境科学科の学生が研究成果を発表しました

2024年9月5日、国立環境研究所と麻布大学との共同研究「『生物季節観測』の発展的な活用に向けた共同研究」の第2回活動報告会をハイブリッドで開催しました。
生命・環境科学部は、生物季節観測を気候変動対策や生物多様性保全の観点からの発展的に継続・活用する仕組みに関する国立環境研究所との共同研究を、2022年3月から実施しています。
活動報告会では、3年目に入った活動状況や観測体制を双方から報告し、改善点や問題点について意見交換しました。麻布大学からは、活動開始当初は20名足らずだった登録メンバーが現在では60名を超え、毎週1回観測会を実施していることを報告、また当日は学生の参加メンバーのうち2名が研究成果を発表しました。
1つ目は、環境科学科2年生がキャンパスでのサクラの開花について、開花が早かった昨年と遅かった今年を比較した速報的な解析結果を報告しました。この研究は麻布出る杭プログラムの研究プロジェクトの一環で実施しています。
2つ目は、環境科学科4年生がセミの抜け殻の時系列調査について3年間の調査結果を発表し、種や雌雄による発生時期の違いについて意見交換しました。
また話題提供として、本学からツバメの初見日の全国的な長期トレンドと気候変動との関係についての解析結果を、国立環境研究所からカエルの鳴き声調査による分布域の推定に関する研究成果を発表し、活発な議論を行いました。
気候変動の生物への影響は近年ますます重要な問題になってきています。その指標の一つとなる生物季節のモニタリングの継続を通して、この問題に気づき考える教育を行なっていきます。
1.⽣物季節モニタリング事業の活動報告
松島 野枝(国⽴環境研)
2.⿇布⼤学での⽣物季節観測の活動報告
⾼⽥ 久美⼦*・⽣物季節観測メンバー(⿇布⼤学)
3.⿇布⼤学での⽣物季節観測結果:
-1.サクラの開花⽇の観測結果と推定結果の⽐較(速報)
飯島央也*・萩原⾹⽉(⿇布⼤学 環境科学科2年)・⾼⽥ 久美⼦(麻布大学)
-2.⿇布⼤学構内におけるセミの抜け殻の時系列調査
⻑岡 千尋(⿇布⼤学 環境科学科4年)
4.ツバメの初⾒⽇の全国的な⻑期トレンド
廣瀬 彩雲(⿇布⼤学 環境科学科2024年卒)・⾼⽥ 久美⼦*(麻布大学)
5.カエルの鳴き声調査による⽣息地評価:関東平野の⽥んぼのカエルマップ
松島 野枝(国⽴環境研)




<関連情報>
環境科学科
大学ニュース:生物季節観測に関する国立環境研究所との共同研究の活動報告会を開催しました(2023年4月)
プレスリリース:国立環境研究所と生物季節観測について共同研究を開始(2022年3月)
麻布出る杭プログラム:研究プロジェクト「生物の季節変化をデジタル技術で見える化する」