麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】治って終わりじゃなかった:巨大結石後のリクガメに何が起きたか

主な研究者:
獣医学部 講師 小澤 秋沙

この報告は、ケヅメリクガメでよく見られる「尿路結石」という病気について、1頭の症例を長い時間にわたって詳しく追ったものです。

尿路結石は初期には気づきにくく、見つかった時にはとても大きくなっていることが多い病気です。13歳のオスのケヅメリクガメは、便が出なくなったことで検査され、直径10cmにもなる巨大な結石が見つかりました。すぐに手術はできない状態だったため、飼い主でもある獣医師が自宅で丁寧なケアを続け、体調を安定させた後にエキゾチック動物専門の病院で手術で結石を取り除きました。手術自体は成功しましたが、その後、このカメは血液中の尿酸が高くなる状態が続いた可能性があり、関節や内臓に尿酸がたまる「痛風」のような症状を発症しました。体重の減少が見られ、最終的に手術の2年後に亡くなりました。解剖の結果、全身の痛風、膀胱の強い炎症、腎臓の障害が確認されました。

この症例から、結石は非常に大きくなるまで見つかりにくいこと、そして手術後も長期間にわたる尿酸の管理と経過観察が重要であることが分かりました。リクガメの診療や飼育に関わる人にとって、非常に貴重な教訓を与える報告です。

論文タイトル:
A case of calculus in a male African spurred tortoise (Centrochelys sulcata)

論文掲載URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/88/1/88_25-0371/_article

DOI:
https://doi.org/10.1292/jvms.25-0371