【論文】泳ぐペンギン、泳がないペンギン ― 水族館で暮らすマゼランペンギンの個性を探る
主な研究者:
獣医学部 准教授 山本誉士
本研究では、すみだ水族館で飼育されているマゼランペンギンを対象に、プール利用時間にみられる個体差(個性)を調べました。ペンギンは集団で飼育されることが多く、個体ごとの行動を継続的に観察することは容易ではありません。そのため、本研究では小型データロガーを装着し、水中にいるかどうかを連続的に記録しました。
23羽のペンギンを対象に、平均233日間にわたって3秒ごとにデータを収集した結果、多くの個体は昼間に活発に泳いでいましたが、一部には夜間にも頻繁に遊泳する個体がいることが分かりました。また、集団全体では水中にいる時間の割合は平均約35%でしたが、個体ごとにみると約20%から70%まで大きな差がありました。性別や野生生まれ・水族館生まれといった背景による大きな違いは認められませんでしたが、水族館生まれの個体では週末に遊泳時間が減少する傾向がみられました。さらに、足の病気である趾瘤症の発症と遊泳時間との間に明確な関係は認められなかったものの、趾瘤症を発症した個体に限ると、普段からよく泳ぐ個体ほど症状の確認回数が少ない傾向がありました。
本研究は、マゼランペンギンのプール利用時間には顕著な個体差が存在することを示しました。動物の健康や福祉を考えるうえでは、集団全体の傾向だけでなく、一羽一羽の違いに着目することの重要性を示す結果といえます。
論文タイトル:
Diving Into Diversity: Considering Intra-Specific Variation in Water Immersion Activity of Aquarium-Housed Magellanic Penguins
論文掲載URL:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/zoo.70072
DOI:
https://doi.org/10.1002/zoo.70072








