麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】糖尿病治療薬が犬の心不全治療薬になりうるか?利尿作用と心筋エネルギー代謝の観点から検証

主な研究者:
獣医学部 教授 藤井洋子

この研究は、人の糖尿病や心不全の治療に使われる「ダパグリフロジン」という薬が、健康な犬の体にどのような影響を与えるかを調べたものです。特に、尿の量を増やす作用(利尿作用)や、脂肪をエネルギーとして使うときに作られる「ケトン体」への影響に注目しました。

研究では、5頭のビーグル犬に異なる量のダパグリフロジン(0.1、0.3、1.0 mg/kg)または偽薬を飲ませ、血液や尿を24時間にわたって調べました。 その結果、薬の量が増えると尿中に排出される糖の量が増えましたが、0.3 mg/kg以上では大きな差は見られませんでした。一方、最も高い1.0 mg/kgでは、血液中のケトン体が増加し、尿の量も明らかに増えていました。これは、体が糖だけでなく脂肪もエネルギー源として利用し始めたことを示しています。

この研究から、ダパグリフロジンは犬でも利尿作用とケトン体を増やす作用を持つことが分かりました。今回の実験は健康な犬で行われましたが、今後は心不全などの病気を持つ犬で効果や安全性を確認することで、新しい心不全治療法につながる可能性があります。

論文タイトル:
Evaluation of dose-dependent effects of dapagliflozin on urinary glucose and plasma ketone bodies in healthy dogs

論文掲載URL:
https://avmajournals.avma.org/view/journals/ajvr/87/5/ajvr.25.11.0390.xml

DOI:
https://doi.org/10.2460/ajvr.25.11.0390