【論文】北海道の魚に寄生虫?生魚を食べるときに知っておきたい話
主な研究者:
獣医学部 教授 平 健介
この研究は、北海道でとれた魚の中に、人間に感染する可能性がある寄生虫「コリノソーマ」の幼虫がどれくらいいるのかを調べたものです。この寄生虫は、海の哺乳類を最終的な宿主とし、魚などを利用して成長します。人間が感染するのは、寄生虫を持った魚を生で食べたり、十分に加熱せずに食べたりした場合です。
研究者たちは、北海道産の24種類473尾の魚と、北海道以外でとれた19種類52尾の魚を調査しました。その結果、北海道産の魚では75尾(15.9%)から寄生虫の幼虫が見つかり、17種類の魚に感染していました。特に、海底近くで暮らす魚で多く見つかりました。
一方、北海道以外でとれた魚からは、マトウダイ1尾から1匹の幼虫が見つかっただけでした。詳しく調べたところ、見つかった寄生虫の多くは「Corynosoma villosum」という種類で、一部は「Corynosoma strumosum」でした。
この結果から、北海道でとれた魚には、この寄生虫が広く存在する可能性があることが分かりました。また、北海道以外の地域でも少ないながら感染した魚がいる可能性があります。
北海道の魚は東京など全国各地に運ばれているため、生魚や加熱が不十分な魚を食べる場合には注意が必要です。この研究は、魚を安全に食べるためにも、市場に流通する魚の寄生虫を継続的に調べることが、食の安全や人の健康を守る上で重要だと示しています。
論文タイトル:
Occurrence of Corynosoma cystacanths in commercially distributed marine fish within and outside Hokkaido, Japan
論文掲載URL:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1383576926001005?via%3Dihub
DOI:
https://doi.org/10.1016/j.parint.2026.103329








