【論文】飼い主の接し方で犬の判断が変わる?"指さし"から見えた犬の心
主な研究者:
獣医学部 教授 菊水 健史
犬は、人間が指をさした方向を見て「こっちに何かある」と判断することができます。この能力は、犬が人間と一緒に暮らす上で大切な社会的な能力です。この研究では、飼い主の考え方や犬との接し方が、犬の「指さしをどう使うか」に影響するのかを調べました。
研究には94組の犬と飼い主が参加し、犬が2つの物のどちらを選ぶかを調べる3種類の実験を行いました。また、飼い主には動物に対する考え方や犬への愛着について質問し、犬との普段の接し方も記録しました。
その結果、単純に人が腕で指さした方向を選ぶ実験では、飼い主による大きな違いは見られませんでした。しかし、「以前の記憶」と「人の指さし」が食い違う実験では、飼い主の影響が確認されました。動物の権利や倫理を大切に考える飼い主の犬ほど、自分の記憶と違う方向を人が指さしても、すぐには指さしに従わない傾向がありました。
また、飼い主が犬に頻繁に命令したり、手で犬を動かしたりする接し方をしている場合、犬は指さしを頼りにすることが少なくなりました。
この研究から、犬は人間の指示をただ受け入れるのではなく、飼い主との日頃の関係や接し方をもとに、人から得た情報を判断している可能性が示されました。犬と人との関係をより深く理解するための重要な手がかりとなる研究です。
論文タイトル:
Owner-related factors influence dogs' usage of human pointing gestures in atypical contexts
論文掲載URL:
https://link.springer.com/article/10.1007/s44338-025-00133-3
DOI:
https://doi.org/10.1007/s44338-025-00133-3








