麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】口臭と炎症の元を断つ!シクロデキストランの意外な働き

主な研究者:
獣医学部 准教授 福山 朋季

この研究は、歯周病の原因となる細菌が作る「バイオフィルム(菌のねばねばした集団)」を防ぐことで、口臭や炎症を抑えられるかを調べたものです。

歯周病は、歯の周りに細菌が集まって炎症を起こす病気で、犬ではP. gulae、人ではP. gingivalisという細菌が大きく関係しています。研究者は、シクロデキストラン(CI)という糖の仲間に注目しました。CIは、虫歯菌が作るねばねばを防ぐことが知られていましたが、歯周病菌への効果は分かっていませんでした。そこで、2種類の歯周病菌をCIと一緒に培養し、バイオフィルムの量、口臭の原因ガス、炎症反応を調べました。その結果、CIは細菌を直接殺す力は弱いものの、バイオフィルムやねばねば成分の生成を大きく減らすことが分かりました。そのため、口臭の原因となるガスも大幅に減少しました。また、免疫細胞を使った実験では、炎症を引き起こす物質(IL-1βやIL-6)も少なくなり、細胞への悪影響はありませんでした。

この研究から、CIは「菌を殺す」のではなく、菌が悪さをする準備をさせないことで歯周病を防ぐ可能性が示されました。人やペットの歯周病予防に役立つ、新しい口腔ケア素材として期待されています。

論文タイトル:
Cyclodextran prevents Porphyromonas gulae and Porphyromonas gingivalis induced halitosis and cytokine secretion via direct inhibition of biofilm formation

論文掲載URL:
https://www.frontiersin.org/journals/oral-health/articles/10.3389/froh.2025.1713668/full

DOI:
https://doi.org/10.3389/froh.2025.1713668