麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】帯電微粒子水が花粉を弱める!? 新しい花粉症対策

主な研究者:
獣医学部 准教授 福山 朋季

この研究は、日本で多くの人が悩んでいるスギ花粉症の原因物質を弱める新しい方法を調べたものです。スギ花粉の中には「Cry j 1」というアレルギーの原因となるタンパク質があり、これが体の免疫を刺激して、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こします。現在の治療は症状を和らげることが中心で、花粉に対する反応そのものを防ぐ方法はまだ十分ではありません。

そこで研究者は、帯電微粒子水(NEAWPs)に注目しました。これはとても小さな水の粒で、活性酸素という反応しやすい成分を含んでいます。これまで細菌を減らす働きが知られていましたが、花粉への効果は調べられていませんでした。 実験では、Cry j 1をこのナノ水粒子に24〜48時間さらしたところ、アレルギーの原因となる性質が大きく弱まり、48時間で約98%も減少しました。さらに、人の気道細胞や免疫細胞を使った実験でも、炎症を引き起こす反応がほとんど起きなくなりました。

この研究から、帯電微粒子水は花粉のアレルギー成分を変化させ、体の免疫反応を起こりにくくする可能性が示されました。将来、環境にやさしい新しい花粉症予防の技術として活用されることが期待されています。

論文タイトル:
Reduction of Cry j 1 allergenicity by nano-sized electrostatic atomized water particles (NEAWPs) in human bronchial epithelium and dendritic cells

論文掲載URL:
https://link.springer.com/article/10.1007/s44189-026-00103-8

DOI:
https://doi.org/10.1007/s44189-026-00103-8