麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】都会と田舎でノミは違う?リスに寄生する小さな生き物の意外な世界

主な研究者:
生命・環境科学部 准教授 片平浩孝

この研究は、都市化が野生動物に寄生するノミにどのような影響を与えるのかを調べたものです。都市の寄生虫研究は、これまで人や伴侶動物等に関係するものが中心で、ひっそりと暮らす種はあまり注目されてきませんでした。

調査は北海道帯広市とその周辺で行われ、エゾリスに寄生する2種のノミを対象にしています。2017年から2020年までの4年間で延べ317匹のリスを調べ、リスを扱う際に落ちたノミの数を記録しました。 その結果、片方のノミの脱落数は秋になると大幅に増加し、都市部に比べて郊外で約14倍多い傾向が見られました。一方で、もう片方のノミは春に多く脱落し、都市と郊外で大きな差はありませんでした。 このことから、同じリスに寄生するノミでも、種によって季節や都市化への反応が異なることが分かりました。つまり、都市化は寄生虫すべてに同じ影響を与えるわけではないのです。

この研究は、人の目には見えにくい寄生虫も都市化の影響を受けており、その変化を調べることで野生動物と寄生虫の関係をより深く理解できる可能性を示しています。今後、さらなる研究の進展を通じて、都市環境が生態系に与える影響を評価する際の見過ごされてきた視点や手がかりが得られるのではないかと期待を寄せています。

論文タイトル:
The effect of urbanization on dislodged abundance of two flea species in arboreal squirrels

論文掲載URL:
https://link.springer.com/article/10.1007/s11252-026-01932-6

DOI:
https://doi.org/10.1007/s11252-026-01932-6