【論文】犬と猫の手術後、抗菌薬はいつまで必要?適切な投与に向けた調査研究
主な研究者:
獣医学部 教授 高木 哲
抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」が世界的な問題になる中、抗菌薬を必要以上に使わないことが重要になっています。犬や猫の手術では、傷口の感染を防ぐために抗菌薬が使われますが、手術後にどのくらいの期間投与を続けるべきかについては、十分な情報がありませんでした。
そこで本研究では2021年1月から2023年11月までに、麻布大学附属動物病院で感染リスクが比較的低い軟部組織の手術を受け、手術後24時間以内に予防目的の抗菌薬投与を終了した犬と猫291例の傷口の感染状況を調査しました。
その結果、傷口の感染は20例(6.9%)で起こりました。この発生率は、これまでに報告されている同様の手術における感染率と大きく異なるものではありませんでした。さらに詳しく調べると、傷口の感染の発生と関連していたのは、麻酔時間が長いことと、手術中に血圧が低下することでした。
この結果から、感染リスクが比較的低い軟部組織の手術では、感染を防ぐために抗菌薬を長く使い続けなくてもよい可能性が示されました。薬剤耐性菌を増やさないためにも、必要なときに必要な期間だけ抗菌薬を使うことが大切だと考えられます。
論文タイトル:
Retrospective Study of Surgical Site Infections in Dogs and Cats Undergoing Soft Tissue Surgery with Postoperative Antibiotic Prophylaxis Discontinued Within 24 Hours
論文掲載URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/79/6/79_e47/_article/-char/ja/
DOI:
https://doi.org/10.12935/jvma.79.e47








