【論文】針を深く刺しすぎない!犬の採血を安全にする新しい方法を検証
主な研究者:
獣医学部 助教 西 晃太郎
犬や猫の採血では、細い血管に針を正確に入れる必要があります。しかし、針を急な角度で刺した後に角度を変える従来の方法では、針が血管の反対側まで突き抜けて傷つける危険があります。そこでこの研究では、「PASAI」という新しい針の刺し方が、従来の方法より安全で使いやすいかを調べました。
まず、ビーグル犬3頭の皮ふを使って、針を浅い角度で当て、皮ふを約1mmだけ軽く押したときの変化を観察しました。すると、皮ふが少しへこむことで、針が実際には15~30度ほどの角度で血管に入る状態が作られることが分かりました。
次に、獣医学生、獣医師、動物看護師など36人が採血シミュレーターを使い、PASAIと従来の方法を比較しました。その結果、血管の反対側を傷つける回数は、従来法の72回に対してPASAIでは5回と大幅に少なくなりました。また、針の角度を途中で大きく変えたり、人差し指を動かしたりする必要も少なくなりました。
経験のある参加者からはPASAIが高く評価された一方、初心者は最初に難しさを感じました。このため、練習を取り入れた教育に活用すれば、より安全で安定した採血技術の習得につながる可能性があります。ただし、今回はシミュレーターを中心とした研究のため、実際の動物での検証が今後必要です。
論文タイトル:
Enhancing venipuncture training: Evaluation of press-assisted shallow-angle insertion technique using a simulation model
論文掲載URL:
https://www.openveterinaryjournal.com/?mno=316420
DOI:
https://doi.org/10.5455/OVJ.2026.v16.i8.11








