麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】なぜ加熱してもピンク?食肉の色のひみつ

主な研究者:
獣医学部 准教授 竹田 志郎

この研究は、「ビーフミートボールを用いてレトルト殺菌(高温で加熱して保存できるようにする方法)したとき、保存中に色がどう変化するのか」を調べました。

ポイントは 加工時に残っている酸素の量 がどのように影響するかです。 酸素が21%ある状態で作られたミートボールを12週間保存すると、真ん中の断面がピンク色のままで、まるで加熱不足の肉のように見えました。一方、外側は茶色になっていました。一般的に、肉色に影響するpHはどちらも変わらなかったのに、茶色の部分は「酸化が進んだ状態」になっていって、ピンク色の部分は「酸化が進んでいない(還元)状態」になっていることがわかりました。 さらに調べると、外側の茶色い部分では、肉の中のたんぱく質や鉄が酸化している反応が確認されました。これらは保存中に酸素が使われて、肉の状態が変化したためだと考えられます。

まとめると、ミートボールが「ピンク色のまま見える現象」は生焼けではなく、保存中の酸化と還元のバランスが変化した結果であることが示されました。これは食品の安全表示や見た目の誤解を防ぐ研究として重要です。

論文タイトル:
Effects of retort sterilization and oxygen on the coloration of beef meatballs during storage: Oxidation-reduction reaction underlying meat color pinking

論文掲載URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fstr/31/6/31_FSTR-D-25-00080/_article

DOI:
https://doi.org/10.3136/fstr.FSTR-D-25-00080