麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】がん細胞どうしが助け合う!?-成人T細胞白血病(ATL)細胞が増える仕組み

主な研究者:
生命・環境科学部 准教授 水口 真理子

この研究では、成人T細胞白血病(ATL)の患者において、FOXP3タンパク質の発現という特徴を持ったがん細胞(FOXP3+ATL細胞)がなぜ増えるのかを調べました。

FOXP3の発現は本来、免疫の活性化を制御する「制御性T細胞(Treg)」に見られる特徴ですが、ATLではこの性質を持つがん細胞が増えることで、体の免疫機能が弱まり、病気が悪化すると考えられています。研究では、がん細胞の表面に発現している共刺激分子OX40に注目しました。これは「細胞の増殖を助ける信号」を送る役割があり、Treg細胞の増加を促すことが知られています。解析の結果、ATL患者のがん細胞ではOX40が発現していることがわかり、特にFOXP3+ATL細胞で多く発現していました。一方、FOXP3を発現していないFOXP3-ATL細胞では、OX40と結合するOX40リガンドが発現していました。実験的にFOXP3の発現を抑制すると、OX40リガンドの発現が増えることが確認されました。

これらの結果は、FOXP3+ATL細胞とFOXP3-ATL細胞がOX40/OX40リガンドシステムを介して協力し合い、FOXP3+ATL細胞を増殖させている可能性を示唆しています。

論文タイトル:
Association Between FOXP3 and OX40 Expression in Adult T-Cell Leukemia Cells

論文掲載URL:
https://www.mdpi.com/1999-4915/17/11/1445

DOI:
https://doi.org/10.3390/v17111445