麻布大学

研究・産学官連携COOPERATION

【論文】塗るだけで予防と治療?マスティックが皮ふ病を抑える理由

主な研究者:
獣医学部 准教授 福山 朋季

この研究は、抗生物質が効きにくい細菌が増えている問題に対し、天然の樹脂「マスティック」が皮ふの細菌感染に役立つかを調べたものです。

マスティックは植物からとれる自然の成分で、これまでに炎症を抑える効果が知られていましたが、細菌を直接やっつける力はよく分かっていませんでした。まず実験室で、皮ふ病の原因となるブドウ球菌(薬が効きにくいタイプを含む)にマスティックを加えたところ、菌の数や活動エネルギーが大きく減り、強い殺菌効果が確認されました。また、人の皮ふ細胞を使った実験では、細菌による細胞へのダメージや炎症を引き起こす物質の放出も抑えられました。次に、マウスに皮ふ感染症を起こす実験を行うと、あらかじめマスティックを使った場合は、傷の広がりや細菌の増殖が明らかに防がれました。さらに、すでに病気になった後でも、1%のマスティックを使うことで症状が軽くなることが分かりました。ただし、菌の種類によって効果の強さには違いがありました。

この研究から、マスティックは自然由来で、予防にも治療にも使える可能性をもつ新しい皮ふ感染対策として期待されます。抗生物質に代わる補助的な方法として、今後の応用が注目されます。

論文タイトル:
Bactericidal activity of mastic resin against Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus aureus and its therapeutic efficacy in experimental pyoderma/impetigo

論文掲載URL:
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0882401025009416?via%3Dihub

DOI:
https://doi.org/10.1016/j.micpath.2025.108216