【論文】犬由来の乳酸菌がアレルギーを抑える?免疫バランスの秘密
主な研究者:
獣医学部 准教授 福山 朋季
この研究は、犬から見つかった乳酸菌が、アレルギーによる炎症を抑える効果があるかを調べたものです。ぜんそくやアトピー性皮膚炎(AD)は、体を守る免疫の反応が強くなりすぎて、皮膚や呼吸器に炎症が起こる病気です。特に「Th2」というタイプの免疫反応が関係しています。
研究者たちは、健康な犬の体から4種類の乳酸菌「ラクトバチルス・アシドフィルス」を発見し、免疫を整える力や胃酸への強さを調べました。その中から特に有望な2種類(M40、M53)を選び、アレルギーを起こしたマウスに与えました。
その結果、どちらの乳酸菌も、アレルギーを悪化させる物質(IL-5、IL-13)の量を減らし、肺や皮膚の炎症を抑えました。また、血液中のアレルギーに関係する抗体(IgE)も減少しました。特にM40は、肺に集まる炎症細胞である好酸球を減らす効果も確認されました。
さらに、M40は体を落ち着かせる働きを持つ「IL-10」という物質や、免疫の暴走を抑える「制御性T細胞(Treg)」を増やす作用が強いことが分かりました。
この研究は、犬由来の乳酸菌が免疫のバランスを整え、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の予防・改善に役立つ可能性を示したものです。今後、犬や人での応用研究が期待されます。
論文タイトル:
Canine-derived Lactobacillus acidophilus modulates Th2-driven allergic inflammation via IL-10-mediated immune regulation in murine models
論文掲載URL:
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0003986126001347?via%3Dihub
DOI:
https://doi.org/10.1016/j.abb.2026.110863








