【論文】子宮腺の機能を解析できる新たなマウスモデルを作製
主な研究者:
獣医学部 教授 伊藤 潤哉
獣医学部 准教授 寺川 純平
本研究では,子宮腺における遺伝子の働きを解析するための新たな遺伝子改変マウスモデルを作製し,その有用性を明らかにしました.
子宮腺とは,子宮内膜の上皮が管状または分枝状に陥入した構造であり,ヒトや家畜を含む多くの哺乳類において高度に保存されています.マウスにおいては,子宮腺からの分泌物が受精卵と母体が初めてコンタクトする「胚着床」に必須であることが知られています.その一方で,胚着床以降の妊娠における役割や,子宮疾患において子宮腺がどのような機能を果たすかについては,解析手段が限られており十分に解明されていませんでした.そこで,子宮腺で発現するレチノールデヒドロゲナーゼ1(Rdh1)遺伝子に着目してRdh1-iCreマウスを作製し,蛍光レポーター(mCherry)を用いて,本マウスが子宮腺機能を解析可能なツールとなり得るかを検証しました.
その結果,子宮腺の形成がはじまる1週齢時点でmCherryの発現が認められ,これらの細胞は子宮腺マーカーとして知られるFOXA2も発現していました.成獣においても同様に,mCherry発現細胞でのFOXA2の発現が認められました.さらに,Rdh1-iCreマウス自体の妊娠機能については,雌雄ともに明らかな異常は認められませんでした.
以上の結果から,Rdh1-iCreマウスは子宮腺特異的に遺伝子改変が可能なツールであることが示されました.今後,本ツールを活用することで,妊娠機能の解明のみならず,子宮疾患や子宮腺形成メカニズムの解明に貢献することが期待されます.
論文タイトル:Generation and Characterization of a Rdh1 iCre Line to
Study Uterine Glandular Biology
論文掲載URL:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/dvg.70068
DOI:
https://doi.org/10.1002/dvg.70068








