麻布大学

学部・大学院ACADEMIC / GRADUATE

教授 伊藤 潤哉

獣医学部 動物応用科学科

教授 伊藤 潤哉
研究室
動物繁殖学研究室
所属と主な研究内容
動物繁殖学、生殖生物学、発生工学、実験動物学
担当科目
動物繁殖学、動物分子生殖科学、動物受精卵移植論、動物生殖制御論、動物繁殖学実習、家畜人工授精特別実習、生殖生理・不妊症学、地球共生論

プロフィール

現在以下3つのテーマに関しての研究を展開しています。

哺乳類の受精に関する研究

哺乳類は精子と卵が受精することで受精卵(胚)となり、個体へと発生していきます。受精の最初の引き金となる現象は、精子が卵に侵入することで卵内のカルシウムイオンが上昇することです。特に哺乳類の受精では、カルシウムイオンの反復的な上昇(カルシウムオシレーション)が起こることが知られています。最近になって精子内、卵内の様々な因子がカルシウムオシレーションに必要であることが分かりました。しかし、哺乳類それぞれの動物種で、それらの因子がどのように関係し、受精が行われているかは十分に明らかになっていません。私達は主に遺伝子改変マウスを用いて、哺乳類の受精機構を分子レベルで明らかにしたいと考えています。

哺乳類の着床・妊娠メカニズムに関する研究

受精後、胚は子宮内に着床することで個体へと発生していきます。この「着床」やその後の「妊娠維持」には、エストロジェンやプロジェステロンといった女性ホルモンを中心として多くの分子が関わっています。これらの分子が機能を失うと着床不全、流産や早産といったことが起こってしまいます。しかし、そのメカニズムについては詳細には明らかにされていません。私達は主に遺伝子改変マウスを用いて、哺乳類の着床・妊娠メカニズムを明らかにし,ヒトの不妊症や希少動物の保護などに役立てたいと考えています。

哺乳類生殖工学技術の開発・改良に関する研究

現在、精子や胚を液体窒素中で保存し、保存した細胞から個体を復元することで必要な実験動物や家畜を生産することが可能になっています。しかし、卵(未受精卵)の保存は、精子・胚の保存と比較して難しく、十分な技術として確立されていません。私達は、哺乳類における未受精卵の保存法法について改善・開発を行っています。また、保存した細胞からの個体復元法(体外受精および顕微授精技術)の改良・開発についても研究を行っています。これらの研究から得られた成果は、畜産分野や実験動物分野に応用できるだけでなく、現在社会問題の一つにもなっているヒト生殖補助医療技術(不妊治療)にも応用可能な技術になると考えられます。

ティーチング・ポートフォリオ